2378脳血管内治療の進歩-ブラッシュアップセミナー2018
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4脳血管内治療ブラッシュアップセミナー2018脈瘤の脳動脈瘤コイル塞栓歴がある.突然の頭痛・嘔吐にて近医に搬送された.頭部CTでくも膜下出血を認め,血管撮影で前交通動脈瘤の再発を認めた.その際に右総腸骨動脈の解離をきたし,covered stentが留置された.その後の治療のため当院に紹介となった.腹部CTでは右総腸骨動脈にステントが留置されていたが,ステントは腹部大動脈まで突出が疑われたため,腹部CTAを追加した.腹部CTAではステントは腹部大動脈に突出しており,右側穿刺はおろか左側穿刺でもガイディングカテーテルはステント部の通過が困難と判断し,右上腕動脈穿刺で脳動脈瘤コイル塞栓術を企図した.6Fr Fubuki dilator kitを右上腕動脈穿刺にて挿入した.Co-axial methodでinner catheterにシモンズ型の6Fr Envoyを用い左総頚動脈起始部に誘導した.シモンズ形状を保ちつつ0.035 inch Radifocus stiff wireを左総頚動脈に誘導し,inner cathe-terとともにガイディングシースを総頚動脈に慎重に誘導した.4Fr Ceruleanを中間カテーテルとして用い,simple techniqueにて前交通動脈瘤のコイル塞栓を行った.■症例3:71歳女性(図6) 突然の意識障害にて当院に救急搬送された.意識レベルは当初JCS300であったが,abcde図4 症例1:89歳女性.くも膜下出血,左内頚動脈後交通動脈瘤破裂a:頭CTにて,くも膜下出血を認める.b:頭CTAにて左内頚動脈後交通動脈分岐部脳動脈瘤(矢印)を認める.c:ガイディグカテーテル(矢頭)が右上腕動脈から腕頭動脈,左総頚動脈を経て左内頚動脈に誘導されている.d:脳動脈瘤コイル塞栓前(矢印).e:脳動脈瘤コイル塞栓後(矢印)

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