2378脳血管内治療の進歩-ブラッシュアップセミナー2018
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138はじめに1 脳血管攣縮に対する血管内治療は,内科的治療抵抗性の脳血管攣縮に対して行うことが一般的である.『脳卒中治療ガイドライン20151)』において内科的治療とは,予防として手術の際の脳槽ドレナージ(グレードB),ファスジルやオザグレルナトリウムの静脈内投与(グレードA),シロスタゾールの経口投与(グレードC1),治療としてtriple H療法(グレードC1),hypderdynamic 療法(グレードC1)のことである.ちなみにAHA/ASAガイドライン2)では,予防としてnimodipineの経口投与(クラスI),euvolemia,normal ciculat-ing blood volume(クラスI)が,治療としてhypertension(クラスI)が推奨されている.そして,それぞれのガイドラインにおいて,血管内治療はグレードC,クラスIIaであり,その有効性はまだ証明されていない.血管内治療には大きく分けてふたつの治療方法があり,薬物動注療法とPTAに分類される.本稿ではJapanese Registry of Neuroendovascular Therapy(JR-NET3)のデータを解析し,両者の特徴について検討する.動注療法とPTAの比較2 JR-NET3は2010年から2014年に施行されたJSNET専門医が関与した血管内治療の登録研究である.これまでにもJR-NET(2005~2006年),JR-NET2(2007~2009年)と同様の研究が行われ,すでに報告されている3,4).今回はJR-NET3に登録された全Check Point 脳血管攣縮に対する脳血管内治療として,薬物動注療法とPTAとふたつの治療方法があるが,いずれも内科的治療抵抗性の脳血管攣縮が適応となる.ともに有効性は証明されていない治療方法である.血管内治療の標準化はできないのか? JR-NET3からII くも膜下出血のすべてD.脳血管攣縮3神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科 今村博敏,坂井信幸◉◉脳血管攣縮に対する血管内治療には,薬物動注療法とPTAがあるが,いずれもその有効性は証明されていない.◉◉薬物動注療法と比較して,PTAは若年,コイル塞栓術後,近位血管の症例に対して,指導医が全身麻酔下に行っている傾向があり,機械的出血の合併が多く認められた.◉◉神経学的症状の改善因子として,薬物動注療法においては初回治療であることと,発症から6時間以内の治療であること,PTAにおいては初回治療であることがあげられた.ssential PointE

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