2379消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018
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010推 奨SSIは「手術操作が及んだ部位に発生する感染」と定義され,発生した部位により切開創SSI,臓器/体腔SSIに大別される.CQ 1-1SSIの定義は? 手術部位感染(surgical site infection:SSI)は医療関連感染の一つであり1, 2),SSIは米国疾病予防管理センター(CDC)により1988年に発表された“surgical wound infection”から改変された用語である3).SSIはサーベイランスを目的に定義されたものであり,SSI予防に関する様々な介入の有効性を論ずる場合,必ずしもサーベイランス上の定義に合致するSSIのみを対象としているわけではない. サーベイランスによりSSIリスクを減少させるとされている4-6)が,有効なSSIサーベイランス実施のための重要事項の一つとしてSSIの定義が含まれる5, 6).1988年に発表されたsurgical wound infectionでは3),切開創のみが対象となっていたが,1999年に発表されたガイドライン2)では手術操作が及ぶ臓器/体腔に発生する感染も含まれることになった.すなわち,浅部(表層)切開創SSI,深部(深層)切開創SSI,臓器/体腔SSIに大別される(図1-1)2).また,SSIは人工物を使用しない手術では術後30日以内に発生,人工物を使用した手術では術後1年以内に発生したものと定義されていた2).しかし,近年のCDCサーベイランスの定義では1),手術手技分類に応じて術後30日以内または90日以内に発生したものをSSIとしている(表1-1).解 説図1-1 SSIにおける部位別分類(文献2より改変)表層切開創SSI深部切開創SSI臓器/体腔SSI皮膚皮下組織深部軟部組織(筋膜・筋肉)臓器/体腔

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