012推 奨厚生労働省の院内感染対策サーベイランス事業によると,消化器外科領域のSSI発生率は9.6%である.食道手術のSSI発生率が最も高く,次いで直腸手術,肝胆膵手術であるB.CQ 1-2消化器外科領域のSSIの発生頻度は? 手術部位感染(SSI)は医療関連感染症の一つに位置づけられている.また,SSIはあらゆる手術に起こりうる合併症である.手術手技別では,消化器外科領域が他の領域と比較してSSIの発生率は高い.また,SSI発生率はSSIの定義や対象,調査方法,手術術式によって大きな相違がある点に留意する.わが国における消化器外科領域のSSI発生率,欧米諸国のSSI発生率についてレビューする.わが国におけるSSI 厚生労働省の院内感染対策サーベイランス事業によりSSIサーベイランスデータ1)が2006年7月より集計されている.2007年より2016年までの消化器外科および他領域を含めたサーベイランス対象手術手技全体で1,487,378例が集計され,SSI発生率は約6%である1, 2).年次推移をみると2012年以降は徐々に漸減し,2016年のSSI発生率は5%台となっている(図1-2). 消化器外科領域に関連した術式は虫垂切除術,結腸手術,直腸手術,肝胆道膵手術,胆解 説年SSI発生率(%)2007200820092010201120122013201420152016876543210図1-2 全手術手技におけるSSI発生率の年次推移(文献1より)
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