2385小児救急治療ガイドライン 改訂第4版
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おもな救急疾患166保護者への説明のポイント●てんかんは,無熱性けいれんが複数回起こった場合に診断する.●治療は通常,最終発作から4~5年継続することが必要であるため,抗けいれん薬の服用にあたっては十分な理解が必要である.2回目以降に治療しても長期発作予後は変わらないとする報告が多い.●てんかんは必ずしも不治の病ではなく,すべてが遺伝によるものでもなく,治療によく反応する良性のてんかんもあることを説明する.●てんかんには発達遅滞などの合併症があることも時期を考慮して説明し,理解を求める.文献1)岡明(編):小児てんかんの最新医療.中山書店,2009;116-1762)日本神経学会:てんかん治療ガイドライン2010.医学書院,2010;40-48,62-693)日本神経学会:てんかん治療ガイドライン2018.医学書院,2018;144-1454)奥村彰久,浜野晋一郎:子供のけいれん・てんかん.見つけ方・見分け方から治療戦略へ.中山書店,2013;125-133ドウ糖液を点滴し,その後は時間を追った血糖チェックが必要である.10mg/dL以下などの著明な低血糖の場合には,代謝性疾患の存在を念頭におき,鎮痙後,原因精査を行うことが必要である.bてんかんとしての治療てんかんの診断は慎重に行わなければいけない.基本的に無熱性けいれんが複数回起こった場合にてんかんを疑い,脳波検査を行ったうえでてんかんのタイプを特定し,内服治療を開始する.実際には救急の現場で抗けいれん薬予防投与を開始することは滅多にない.てんかんの治療にあたっては,十分なインフォームド・コンセントや薬の副作用の説明,その後の定期検査のスケジュールなど,十分な時間をかけ説明することが不可欠だからである.また,てんかん治療は小児神経科医のいる施設で行うことが望ましい.Pointてんかんの既往のある子どもがけいれんで救急搬送された場合は,きちんと内服できていたかどうかの確認のため,必ず処方されている抗けいれん薬の血中濃度を測定することが重要である.怠薬によるけいれん発作は日常茶飯事である.実際のてんかん患者による偽性発作(心因反応性非てんかん発作)はてんかんの診断を受けている子どもに起こりやすいことも念頭に,疑わしければ鎮痙のためのむやみな薬物投与は避ける.Pitfallけいれん後の体の緊張や姿勢の異常が持続するNETC(nonepileptictwilightstatewithconvulsivemanifestations)という状態がある4).真のけいれん重積との鑑別は発作時脳波しかないが,チアノーゼがない,ずっと閉眼している,けいれんが途切れ非律動的などで疑う.抗けいれん薬は効きにくく,過剰な投与は呼吸抑制や血圧低下につながり極めて危険である.けいれん重積や熱性けいれんとよばれるなかにNETCが多く含まれていることに留意する.

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