2385小児救急治療ガイドライン 改訂第4版
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おもな救急疾患162AAおもな救急疾患中枢神経系疾患4.無熱性けいれん北九州市立八幡病院小児救急・小児総合医療センター天本正乃12診断フローチャート無熱性けいれんイコールてんかんではなく,非てんかん性けいれんの存在を十分理解しておくことが重要である.無熱性けいれんをきたした小児を診察する場合,年齢特異性を理解し,それがてんかんか否かを判断すること,てんかんでないとすればどのような疾患を疑い,どのような検査が必要かを知ることが重要である.けいれんの診断の進め方を図1に示す.年齢別にみる無熱性けいれんの診断とポイントa新生児期から早期乳児(生後2か月)のけいれん新生児のけいれんは,中枢神経に異常をきたしている重篤な疾患を示唆する重要な徴候であるのと同時に,生理的な反射であり観察のみでよいものと大きく分かれる1).新生児期の代表的なけいれん発作症状を,表1に示した.注図1けいれんの診断の進め方けいれん発作けいれん重積止痙発作の様子:意識レベル・左右差・持続時間・顔色・回数・きっかけ・回復状況・随伴症状検査血液検査:血糖値・電解質・甲状腺ホルモン・タンデムマス・血中濃度心電図:Holter心電図尿:一般尿検査・薬物スクリーニング画像診断:頭部CT・MRI・SPECT・PET・消化管造影脳波:できればビデオ同時記録てんかんてんかん以外熱性けいれん・泣き入りひきつけ・失神チック・胃腸炎に伴うけいれんなど脳炎・脳症・低血糖・外傷など偽性発作発作診断年齢・発達・既往・画像・脳波所見抗てんかん薬予防投与

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