2398みんなで考える性分化疾患
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72 DSDの子どもや家族への支援においては,サポートチームによる連携した医療が効果的であるとされている1,2).このサポートチームとは,複数の医療専門職が連携して,治療やケアにあたることを指し,“チーム医療”と表現される場合もある.そして,サポートチームの関与は,決して一時的なものではなく出生時から成人した以降も継続して関与することが望ましいとされている.また,重要な点として,子どもや家族もこのチームメンバーの一員に含まれる.そのため,治療や日常生活における質問や悩みの相談,希望を伝えてもらいながら,ともに考え歩んでいくことを目指している.❶サポートチームのおもなメンバー このサポートチームは,常にチームメンバー全員が機能し働きかけるというものではなく,子どもと家族の状況(年齢,治療,悩みなど)に応じて関与する職種は異なる.それぞれの職種の専門性とどのような役割を担っているかについて,当センターのサポートチームのうち,おもなものを図1に示す.また,そのなかでの連携した取り組みについてのいくつかを紹介する.❷おもな取り組み内容a.初期対応 Ambiguous genitaliaが出生したときの性別判定を含む初期対応については,当センターにおいては1991年より性別判定会議(gender assignment committee)を作り活動が始まった3).性別判定会議の常任構成メンバーは,内分泌科医,泌尿器科医,放射線科医,遺伝科医,児童精神科医(子どもの心診療科医),DSD担当看護師,臨床心理士,ソーシャルワーカー,遺伝カウンセラー,である.これに主治医・関連部門である新生児科主治医,産科主治医,小児外科医,助産師,病棟担当看護師らが加わる.それぞれの専門職がいつ,どのように対応していくのかを示すことで,より連携の強化につながっている(表1).第7章:DSDサポートチームとその役割サポートチーム1図1サポートチームのメンバー*:児童精神科医と心理士,遺伝カウンセラー,看護師の役割は「a 精神・心理的サポート」(p.75),「b 遺伝カウンセリング」(p.78),「c 看護師」(p.84)を参照.DSDの子ども・家族ソーシャルワーカー*心理士**遺伝カウンセラー**看護師*婦人科医*児童精神科医*遺伝科医新生児科医泌尿器科医内分泌科医ホルモン治療,成長・発達の支援社会資源の相談発達・心理検査,心理相談遺伝相談病気の理解や適応への支援,コーディネーター女性の思春期以降の治療発達・心理に関する治療,親子関係の診療遺伝学的な診断出生直後の治療必要な手術治療

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