2408臨床小児麻酔ハンドブック改訂第4版
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179手術別・各科別の小児麻酔IV3)ブロッカー先端にループがついており,これを気管支ファイバースコープに通して術側気管支へ誘導できる.4)シリコン製のバルーンであり,カテーテルにはデプスマーカーがついている.5)選択的に気管内吸引をすることは困難である.6)ブロッカーを気管チューブの外を通して分離肺換気を行うことも可能であるが,ブロッカーによる気管粘膜の圧迫に注意する.ファイコンTCB気管支ブロッカーⓇ1)使用法はArndt気管支ブロッカーとほぼ同様である.ブロッカーに誘導用のループがないかわりに先端に角度がついていて,気管支へ誘導しやすくなっている.2)5Fr,9Frの2種類のサイズがある.気管支挿管 単に気管チューブを深くする,もしくは気管支ファイバースコープを用いて,チューブ先端を術側と反対側の気管支に誘導する.以下のような点に留意する.1)チューブサイズが適切でないとリークによりうまくシールされない,もしくは気管支壁に過剰な圧がかかる可能性がある.チューブサイズの目安としては,右気管支挿管では気管挿管と同サイズもしくは1サイズ小さくする,左気管支挿管では1~2サイズ小さくする.2)リークにより分泌物が換気側の肺に流れ込む可能性がある.3)術側肺の吸引や拡張はできない.4)右気管支挿管では上葉がブロックされる可能性が高い.5)カフ付きチューブではカフの近位端が気管にはみ出す可能性がある.図1 Arndt気管支ブロッカーⓇa:アダプターを気管チューブに接続する前に,アダプターの中でブロッカー先端のループにファイバーを通しておく.b:ファイバーとブロッカーをアダプターとともに気管チューブに接続する.c:ファイバーを気管支に入れ,ブロッカーを誘導.d:ファイバーで観察しながら位置を確認し,ブロッカーのバルーンを膨らませる.bcda気管チューブのカフブロッカーバルーンブロッカー気管支ファイバーアダプター表3 Arndt気管支ブロッカーⓇのサイズと適応する気管チューブブロッカーカテーテルサイズ気管チューブサイズ5Fr4.5mm7Fr6.0mm9Fr7.5mm

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