2409高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 ダイジェスト・ポケット版
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クリニカルクエスチョンと推奨1)クリニカルクエスチョンと推奨とは? 診療の現場において意見が分かれる,あるいは判断に迷う点を疑問文で表したものがクリニカルクエスチョン(CQ)です.CQはどのような患者(Patients:P)に,どのような治療や介入(Intervention:I)を用いると,対象と比較(Comparison:C)して,どのような結果(Outcome:O)が得られるかというPICO形式の疑問文で表されています.重要な点は治療により生じる患者さんにとっての利益となる項目(益)と有害事象などの不利益となる項目(害)も検討してあることです.CQに対する回答が推奨文です.これまでの治療に関する益と害のエビデンスとそのバランス,および患者さんの意見のまとめと医療費に関する資料等を用いて,高尿酸血症・痛風の診療にかかわる医師,診療ガイドライン専門家等からなるパネル会議が開かれ,パネリストは「エビデンスの強さ(確実性)」「益と害のバランス」「患者の価値観や希望」「コストや資源」の4つの要因を総合的に検討し,「推奨」を作成しました.2)エビデンスの強さ(確実性)とは? 患者さんを治療することで,患者さんにとって利益となる項目(益)と有害事象などの不利益となる項目(害)に関して研究結果をまとめた内容の質と確実性のことです.複数の要因に基づき判定し,「A(強)」「B(中)」「C(弱)」「D(非常に弱い)」の4段階に分けます.2用 語説 明A(強)真の効果が効果推定値に近いことが確実にいえるB(中)効果推定値に対し中等度の確信がある.つまり,真の効果は効果推定値に近いと考えられるが,大きく異なる可能性も否めないC(弱)効果推定値に対する確信には限界がある.真の効果は効果推定値とは大きく異なるかもしれないD(非常に弱い)効果推定値に対し,ほとんど確信がもてない.真の効果は,効果推定値とは大きく異なるものと考えられる表アウトカムごとのエビデンスの強さ(確実性)3ガイドラインの使い方第1章

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