2409高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 ダイジェスト・ポケット版
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 国民生活基礎調査で推定される痛風患者数は,2016年の時点では全国で100万人を超えているとされている(図2).これらの調査による痛風患者数も急速に増加傾向である.一方,痛風患者の年齢分布は60歳代が最も多く,次いで50歳代と70歳代がほぼ同数となっている.60歳以降の痛風患者の減少の理由は明らかではない.初発年齢は30歳代が最も多く,次いで40歳代,50歳代と報告しているものが多い.診療の全体的な流れ 高尿酸血症(血清尿酸値>7.0mg/dL)をみた場合,痛風関節炎の症状やその既往を有するまたは痛風結節を有している場合は,薬物治療の対象となる.急性痛風関節炎に対しては,第一選択の薬物治療としてNSAID,ステロイド,コルヒチンのいずれを用いるかは定まっていない.一方で前兆がある場合はコルヒチンの投与を行うことで発作への移行を抑制できる場合がある.痛風関節炎が消失したら,一定3図2国民生活基礎調査から推定される痛風患者数〔厚生労働省ホームページ 国民生活基礎調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21.htmlより算出〕男性女性(万人)1000(年)1986198919921995199820012004200720102013201620406080図1高尿酸血症の頻度の推移〈対象〉首都圏で勤務する約4万人の職域集団(1996-2004,日本)〈方法〉血清尿酸値の平均値を,性,年齢,年度別にプロットした.〈結果〉男性において20〜60歳代のすべての年齢層で高尿酸血症は増加傾向であった.〔冨田眞佐子,水野正一:高尿酸血症は増加しているか?;性差を中心に.痛風と核酸代謝30 : 1-5, 2006より改変〕男性女性(%)35019971998199920002001200220032004(年)199651015202530高尿酸血症の頻度20~29歳30~39歳40~49歳50~59歳60歳~17高尿酸血症・痛風の基本的特徴第3章はじめに

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