2422小児泌尿器科学
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162Ⅲ 小児泌尿器科学各論2)緊急性がない症例単一腎盂尿管に伴う尿管瘤(図5)無症状例では経過観察が可能である.無症状でも,TUPの成功率が比較的高いことなどから,将来的なことを考慮してTUPを行うという考えもある.有症状例でVURを認めない場合はTUPを,軽度のVURを認める場合はTUPまたは尿管瘤切除術+尿管膀胱吻合術を,高度のVURを認める場合は尿管瘤切除術+尿管膀胱吻合術を行う.重複腎盂尿管に伴う尿管瘤(図6)①無症状例経過観察またはTUPを行う.上腎機能が10%未満,下腎に閉塞がなく,下腎のVURがⅢ度以下,膀胱頚部での閉塞がない14例では手術をせずに8年(中央値)経過観察が可能であり,全例無症状で,水腎症は8例で不変,6例で改善し,VURを認めた4例中3例は消失したとの報告 2)や,尿管瘤13例中,上腎が無機能またはMCDKである3例,上腎が排泄・機能とも良好(下腎に対する上腎分腎機能平均40.8%)で下腎に高度のVURを伴わない6例の計9例では,経過観察が可能であり,後者の6例全例で水腎症が改善しVURは消失したとの報告 3)があり,経過観察が可能な症例もある.TUPを行う場合は術後のVURの発生に注意ab図5単一腎盂尿管に伴う尿管瘤の治療方針(VUR:膀胱尿管逆流,VURは対側も含める)単一腎盂尿管に伴う尿管瘤観察経尿道的瘤穿刺尿管瘤切除+尿管膀胱吻合VURなし高度VUR軽度VUR有症状無症状図6重複腎盂尿管に伴う尿管瘤の治療方針(VUR:膀胱尿管逆流,VURは対側も含める,上腎尿管結紮は保険未収載)重複腎盂尿管に伴う尿管瘤・経尿道的瘤穿刺・Total reconstruction (上腎摘出+VUR防止)・尿管瘤切除+common  sheath reimplantation・経尿道的瘤穿刺・上腹部アプローチによる尿管尿管(腎盂)吻合・膀胱外アプローチによる尿管尿管吻合 (+尿管瘤切除+下腎尿管膀胱吻合)・尿管瘤切除+common sheath reimplantation・経尿道的瘤穿刺・尿管瘤切除+common sheath reimplantation・膀胱外アプローチによる尿管尿管吻合+ 尿管瘤切除+下腎尿管膀胱吻合・上腎摘出・(上腎尿管結紮)観察経尿道的瘤穿刺上腎機能ありVURなし高度VUR軽度VURVURなし高度VUR軽度VUR有症状無症状上腎機能なし

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