2422小児泌尿器科学
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164Ⅲ 小児泌尿器科学各論な成績が得られたとする報告もある.術後のvoid-ing dysfunctionは22%,尿失禁は0~10%と報告されている 7).上腎摘出術(図9)上腎機能がなく,VURを認めない場合,上腎摘出術により,約80%は追加手術が不要である.近年は腹腔鏡下または後腹膜鏡下の上腎摘出術も行われるようになっており,単孔式上腎摘出術も報告されている.また,ロボット支援腹腔鏡下上腎摘出術が行われている 8).軽度のVURを有する症例では上腎摘出術後にVURが消失するのは16%である.VURを認めない症例での上腎摘出術後のVUR出現率は15~30%と報告されている.また,上腎摘出術の合併症として,下腎の機能障害,urinomaがみられる 9).重複腎盂尿管の上腎または下腎摘出術を行った60例中(20例は尿管瘤)5例(8%)に,術後10%以上の分腎機能の低下がみられたとの報告がある 10).上腎摘出術後の遺残尿管が感染などで問題となり摘出が必要となるのは,尿管瘤では0~14%,異所性尿管を含めての報告では約10%である.尿管尿管吻合術,尿管腎盂吻合術上腹部アプローチ(図10)と膀胱外アプローチ(図11)があり,膀胱外アプローチはGibson切開または下腹部横切開,鼠径部切開が用いられている.また,尿管尿管吻合に加え,尿管瘤を切除し,尿管膀胱吻合術を同時に行う手術法(図12)が報告されている.膀胱外アプローチの成功率は91~100%であり,下腎の尿が上腎に流入するYo-Yo現象は問題にならないとされる.また,腹腔鏡下さらにはロボット支援下 8, 11)にこれらの手術が行われている.Total reconstruction上腎が無機能で下腎に高度のVURを合併する場合,上腎を摘出し,下腹部横切開により尿管瘤を切除後に下腎尿管膀胱吻合術を行うという方法があるが,開放手術では上腹部と下腹部を皮膚切開する必要があり,また,手術時間が長くなり侵襲は高い.Beganovicらは術後94%の症例で尿失禁を認めなかったが,13%にVURが残存したと報告している 12).管理と予後5術後は超音波検査を中心とした画像検査を行い,尿路に水腎症の出現・増悪などの問題が生じないか観察する.女児の異所性尿管瘤は尿失禁が問題になる症例があるので注意する.成人では尿管瘤内結石が報告されており 13),小児期に無症状でも成人期に問題を起こす可能性がある.また,高血圧,蛋白尿などが生じる可能性があるので注意する.最新知見61)胎児治療羊水過少症,無羊水症などの異常を認めた尿管瘤の胎児に治療がなされ,10例中8例では羊水量が正常化し出生したが,残り2例は死産となったという報告がある 14).2)Watering-can technique内視鏡下にレーザーで10~20か所穿刺する“watering-can technique”はVUR出現率が32%でcde図8尿管瘤切除(marsupialization)およびcommon sheath reimplantationa.尿管瘤の開窓 b.上・下尿管の剥離 c.上腎尿管形成および上・下腎尿管末端の切除 d.新裂孔・粘膜下トンネル作成および旧裂孔閉鎖 e.上・下腎尿管膀胱吻合右尿管口切除粘膜下トンネル右尿管口下腎尿管口尿管瘤の切除線上腎尿管口末端切除上腎尿管尿管瘤後壁abced下腎尿管口

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