2422小児泌尿器科学
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118Ⅲ 小児泌尿器科学各論の有無などの評価や他疾患との鑑別に有用である(図5).放射線被ばくや造影剤使用のリスクに留意する.MRI(有用度:★)MRIは,腎機能低下のために造影剤を使用できない症例であっても複雑な尿路の形態の評価が可能である(図6).放射線被ばくを避けられる点からも有用な検査と考えられる.問題点として,乳幼児において鮮明な画像を得るためには鎮静を必要とするため,十分なインフォームドコンセントと適切な管理が必要である.排尿時膀胱尿道造影(voiding cystourethrogra-phy: VCUG)(有用度:★★)水腎症においてUPJOと膀胱尿管逆流(vesico-ureteral reflux: VUR)が併存する確率は6~15%といわれており,VURの合併を証明するためにはVCUGが必要となる.近年では無症状のVURを発見することに否定的な意見が主流であり,無症候性水腎症に対しVCUGを一律に行う必要はない.高度の尿管拡張の所見がある症例や,尿路感染症を起こした症例に対してVCUGを行うことが勧められる.静脈性腎盂造影(intravenous pyelograhy: IVP)(有用度:★)IVPは従来,無症候性水腎症の原因の診断や手術適応の決定に必須のものであったが,現在は超音波検査や利尿レノグラフィに取って代わられている.しかし,拡張した腎盂腎杯を冠状断像で捉えやすいだけでなく,重複腎盂尿管における解剖学的特徴を把握しやすいという利点もある(図7).逆行性腎盂造影(retrograde pyelograhy: RP)(有用度:★)RPは通過障害の部位を明確に同定できない症例で補助的に行われてきたが,MRIの進歩に伴い行われることは少なくなった.しかし,病変部がefgh図4SFU分類grade 4の片側UPJOの症例に行なったDTPA利尿レノグラフィa:手術適応となった症例.分腎機能が右60%,左40%で,患側(左)のT1/2が20分以上の閉塞型を示した.b:経過観察となった症例.分腎機能が右47%,左53%で,患側(右)のT1/2が14.8分の非閉塞型を示した.ab(カウント/分)(カウント/分)(Flosemide投与)(分)1020左:患側SFU grade 4右:健常側右:患側SFU grade 4左:健常側acb図5 UPJOの病態把握に有用であったCT[口絵⑦参照]a:右間欠的水腎症の症例で行なった造影CT.閉塞部位と交差血管(◯内部)を確認できた.b:aと同一症例において3本の動脈(▽)が複雑に存在しており,3D画像構築により病変部位との関係を術前の情報として確認することが可能であった.c:腹部腫瘤を指摘された乳児に対してCTを行い,両側UPJOと診断した.

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