16118 尿管瘤るか摘出するかの診断に有用である.重複腎盂尿管の場合の上腎分腎機能は左・右腎での関心領域(region of interest: ROI)の分腎比と尿管瘤側の上・下腎のROIの分腎比から計算する(図3).4)MRI,CTMRIは尿管瘤に伴う高度な水腎水尿管症の全体像を描出するのに優れている(図4).ただし,MRIは小児では深い鎮静を必要とするので,CTが行われることもある.治療41)緊急を要する症例尿管瘤による排尿障害,尿路感染症などで尿ドレナージを必要とする場合は経尿道的尿管瘤穿刺(切開)術(transurethral puncture(incision)of uretero-cele: TUP)を行う.ドレナージが不十分な場合は,再度のTUPまたは腎瘻造設術を考慮する.図1左重複腎盂尿管に伴う異所性尿管瘤(超音波検査)a.上腎の高度の水腎・水尿管症 b.膀胱内に突出する尿管瘤と拡張した尿管を認めるab図2左異所性尿管瘤(排尿時膀胱尿道造影)a.異所性尿管瘤(矢印) b.排尿時に下腎VUR(Ⅳ度)が出現ab図3左重複腎盂尿管に伴う異所性尿管瘤(腎シンチグラフィ)a.左・右腎でROIを設定 b.左上・下腎でROIを設定分腎機能は左:右=45%:55% 上腎:下腎=45%:55%であるため,上腎機能は総腎機能の20%である.ab図4左重複腎盂尿管に伴う異所性尿管瘤(MR Urography)著明な上・下腎の水腎・水尿管症,尿管瘤(矢印)を認める.
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