読み解くためのKeyword23解答第2章 吃音・流暢性障害の基礎1①2,②吃音症状,③場,④情緒性反応,⑤4,⑥12 ⑦音・モーラ・音節の繰り返し,⑧引き伸ばし,⑨興奮,⑩文頭,⑪ない3 ⑫緊張,⑬持続時間,⑭阻止(ブロック),⑮随伴症状(⑭,⑮は順不同),⑯主要,⑰自覚,⑱否定的(ネガティブ)4 ⑲欠点,⑳解除反応,㉑助走(⑳,㉑は順不同),㉒置き換え,㉓恐れ進展段階 吃音児の約8割は自然治癒する。このことは,約2割の子どもたちは治癒しないということを意味する。通常,吃音が治癒しない場合,時間の経過とともに深刻化・複雑化する可能性が高く,日常生活や人生にかかわる大きな支障をきたす場合もある。このような吃音の進展を,何百症例もの経過を分析し,吃音症状,吃音症状が生起する場,自覚および情緒性反応11)の観点から,4段階(層)に表したのが進展段階(p.25表参照)である。進展段階を理解することで,過去あるいは未来への時間軸の中で,吃音児・者の全体像を把握しやすくなる。 進展段階は発吃直後が第1層(多くは幼児期)である。次第に進展し,早ければ小学校高学年で第4層に到達する。進展段階第1層(p.25表参照) 多くの子どもは軽い音・モーラ・音節の繰り返しで発症し,語の部分の繰り返しや引き伸ばしが加わることもある。特に興奮時や長い話をする時に文頭で症状が出現する。本人はまったく吃音症状が出ていることに気づかず,平気で話す。 うまく話せる時期もある(波がある)のが特徴である。進展段階第2層(p.25表参照) 繰り返しや引き伸ばしが緊張を伴い(力の入った),繰り返し回数が多くなったり持続時間が長くなる。阻止(ブロック)や随伴症状が出現する。症状は文の主要部分に出現する。吃音に気づいているが否定的(ネガティブ)な感情はまだない。進展段階第3層(p.25表参照) 種々の工夫を巧みに使用し,語の置き換えも出現する。これらはいくつかの苦手場面を自覚するようになり,吃音について憤りや嫌悪感などの否定的(ネガティブ)な感情が生じ,「吃ってはいけない」と考えすぎることが影響していると考えられる。工夫や語の置き換えを意識的に努力して行うことで不自然になったり,かえって吃ることも多い。吃音を気にするあまり,コミュニケーションが不良になる場合もある。恐れや深い困惑はまだない。●進展段階第1層の子どものイメージ●進展段階第2層の子どものイメージ●進展段階第3層のイメージおおおべんとうおいしかった!ぜんぶたべたよ!あああしたもハンバーグいれてー!・・・(頭振る)おべんとう・・おいしかった!ぜんぶたたたたたべたよ!・・・(頭振る)あしたもハンバーグ・・いれてー!「お弁当」の「お」は吃音が出る。省略して,タイミングをあわせて…えーとえーとえーとえーと…べんとうえーとえーとえーとおいしかった。例:幼稚園から帰ってきて例:小学校から帰ってきて(2年生)例:中学から帰ってきて
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