2442脳血管内治療の進歩-ブラッシュアップセミナー2019
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119II 再開通療法-より広く,より早く,より確実に,D2Pを短くするためになすべきこと短時間で施行可能である.単純CTで頭蓋内出血と早期虚血性変化の有無が確認できれば,適応症例ではrt-PA静注血栓溶解療法(IVT)を開始し,続けてCTAを撮像する.AHA/ASAのガイドライン4)では,腎機能障害の既往が明らかでなければLVOが予想される患者において血清クレアチニン測定前にCTAを開始してもよいと記載されているが,わが国では,eGFR<30mL/分/1.73m2の場合はヨード造影剤の使用には予防策を講じることが必要とされているため,携帯型迅速クレアチニン測定装置を用いてスクリーニングを行うことが有用である.また,造影剤アレルギーなどの懸念もあるため少なくとも検査の必要性と危険性を説明したうえで検査の同意を取得しておくことが望ましい.CTA画像は再構成されたmaximum intensity projection(MIP)像で評価することが一般的だが,ICAやMCA M1の閉塞は再構成前のMIP画像でも短時間で十分診断可能である(図1).CTA source imageは撮影直後に再構成なしで観察でき,血管情報だけでなく側副血行や虚血コ図1 頭部CTA MIP image左MCA M1閉塞(矢印)の症例.a :再構成後の画像.画像処理に数分要する.b :再構成前の3D画像.スライス厚を広くして観察することで,閉塞部位や末梢血管の描出も短時間で評価可能である.ab図2 頭部CTA MIP imageとsource imagea :CTA MIP image. 左MCA M1遠位部が閉塞している(矢印).b : CTA source image. 左MCA皮質枝の描出が乏しく,対側に比して低吸収域として観察される(楕円).同領域は虚血コアと考えられる.ab

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