2456言語聴覚士ドリルプラス 言語発達障害
5/8

読み解くためのKeyword15第2章 言語発達障害の基礎解答1①上,下,②横(①,②は順不同),③曜日2④MLU,⑤語順,⑥助詞,⑦授受,⑧受動3⑨談話,⑩ナラティブ,⑪メタコミュニケーション4⑫リテラシー,⑬音韻意識,⑭しりとり,⑮学習幼児期後期の語彙発達 4~5歳代の語彙発達は表の通りである。平均発話長 この時期には文での発話が一般的である。文法発達の指標として平均発話長(mean length of utterances:MLU)を使い,1つの発話の平均的な長さを計測する。ただし,MLUの計測方法はいくつかあり,形態素MLUや自立語MLUといった計測法がある。語順方略 文を聞いたとき,語が並ぶ順番から文の意味を理解しようとする方略で,だいたい4歳前後に始まる。日本語を母語とする子どもの場合,「名詞+名詞+動詞」という文を聞くと,〈動作主+対象+動作〉という構造であると考える。たとえば「犬が猫を追いかけるはどっちの絵かな?」と聞いて正解できるのは,この文構造では「犬」が動作主であるという語順方略を使うためである。助詞方略 6歳くらいになると,文理解に助詞方略を使うようになる。たとえば,格助詞の「が」や「を」に基づいて文を理解しようとする。先ほどの例を使うと,「猫を犬が追いかけるのはどっちの絵かな?」と聞いて正解できるのは,この文構造では「が」がついている犬が動作主であるという助詞方略を使うためである。授受構文 物を与えたり受けとったりすることに関する表現で使われる文のことであるが,物の与え手と受け手のどちらを起点にするかで使う動詞が異なる。「サンタさんが子どもにプレゼントをあげる」という文は,子どもを起点にすると「子どもがサンタさんにプレゼントをもらう」となり,動詞が変わる。談話 文や文章という単位ではなく,意味的にひとまとまりになった文章や発話の構造を談話といい,過去の経験を時間的・空間的に連続して流れに沿って語ることをナラティブという。3歳前半の子どものナラティブは短いものであるが,幼児期後期になると長く複雑なナラティブを産生できる。音韻意識 音韻意識とは単語の中の音を心的に操作する能力である。つまり,単語の中にある音の粒に気がつくことで,たとえば「たぬき」は3つの音からできているとか,1番最初の音を取ると「ぬき」になると理解することである。一般的に音韻意識の能力は4歳半頃から始まるといわれる。しりとり遊びは音韻意識の発達と関係がある。4歳前半「上」「下」「横」のような位置に関する語4歳後半疑問詞「どこ」「誰」5歳前半曜日5歳後半反対語を言える(例:「固いの反対は?」に答えられる)●子どもの統語方略を調べる課題 「犬が猫を追いかける」でaを選ぶのは語順方略を理解できている。 「猫を犬が追いかける」でaを選ぶのは助詞方略を理解できている。ab

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る