読み解くためのKeyword19第2章 言語発達障害の基礎解答1①知能検査,②生活適応能力2③ダウン症候群,④ウィリアムズ症候群,⑤プラダーウィリー症候群,⑥猫なき症候群,⑦CHARGE症候群,⑧フェニルケトン尿症,⑨胎児性アルコール症候群3⑩22,⑪7,⑫子宮内発育遅延4⑬脳炎,⑭風疹,⑮髄膜炎(⑬,⑭,⑮は順不同),⑯レット障害,⑰ウェスト症候群(点頭てんかん),⑱レノックスガストー症候群(⑰.⑱は順不同)5⑲重度,⑳視覚認知,㉑発達障害知的障害 知的障害の診断は,以前は知能検査の数値により判断することが多かったが,現在ではそれよりも臨床的判断を重視するようになった。判断する行動は,概念的領域(学習に関する内容),社会的領域(対人社会性に関する内容),実用的領域(日常生活能力に関する内容)の3側面である。染色体異常 知的障害を引き起こすことの多い染色体異常は以下のとおりである。4番ウォルフヒルシュホーン症候群5番 短腕部分欠損猫なき症候群7番 微細欠失ウィリアムズ症候群8番CチャージHARGE症候群15番プラダーウィリー症候群18番エドワーズ症候群21番ダウン症候群ダウン症候群 21番染色体の過剰(トリソミー)による。先天性心疾患や口蓋裂などの合併症をもつことが多い。斜視などの眼科的問題や軽度から中等度の難聴,滲出性中耳炎などの問題も合併しやすい。言語発達は音韻・意味・統語・語用すべての側面で障害されるが,語用障害はほかの3領域に比べると少ない。ウィリアムズ症候群 7番染色体の微細な欠失による。言語発達の遅れよりも視覚認知の障害が顕著である(言語発達が遅れないということではない)。音楽を好むことが多く,対人関係は友好的であることが多いが他者との距離が近すぎることが問題になることもある。レット障害 DSM-Ⅳ-TRでは,広汎性発達障害の1つとされたが,DSM-5では,自閉スペクトラム障害ではなく独立した障害と考えるようになった(p. 21図を参照)ウェスト症候群 生後3~11か月に発症する難治性のてんかんである。多くの場合は出生時の仮死などに起因するが,発症まで発達に問題がないこともある。長期経過としてもてんかんが持続することが多い。レノックスガストー症候群 難治性てんかんの1つで,症状は様々なてんかん発作の症状がある。3~5歳頃に発症することが多い。脆弱X症候群 X染色体上のFMR1遺伝子の障害による。中等度の知的障害を引き起こす疾患としてはメジャーな疾患である。自閉症様の行動特徴や多動・衝動性,知的発達に比べて読み書きの問題が大きいことなど発達障害的な行動傾向が認められる。
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