開閉眼でのアーチファクトはBell現象実臨床に役立つ!?脳波の豆知識 閉眼すれば眼球は上転する．これはBell現象とよび，閉眼時の眼輪筋の収縮に伴った正常な連合運動である．一方で，角膜は陽性に荷電している．そのため，閉眼するとこのBell現象で角膜のベクトルは前頭部に向き（図8），その結果，前頭部の脳波電極では「角膜由来の陽性電位」を拾い，高振幅な陽性の徐波が記録される（図9）．瞬目時のアーチファクトは，つまり，筋電図ではなく角膜由来のアーチファクト陽性電位である．このアーチファクトが脳波ではない根拠は，Fp1/Fp2に対してF3/F4，C3/C4での振幅の減衰が不自然に強い点である．なお，義眼や外眼筋麻痺の症例では，この陽性電位が観察されないか，左右差がみられる．Fp1Bell現象開眼で元にFp1－A1Bell現象前頭極（Fp1とFp2）で角膜の陽性電位を拾う眼球角膜閉眼（Bell現象）によるアーチファクト図8Bell現象でFp1とFp2で記録した角膜の陽性電位Fp1-A1Fp2-A2F3-A1F4-A2C3-A1C4-A2P3-A1P4-A2瞬目瞬目開眼で元にBell現象1 sec50 μVMP閉眼（Bell現象）によるアーチファクト：実波形図9121脳波判読ＳＴＥＰ２2第Ⅱ章2 脳波判読STEP2 C ルーチンチェック③：睡眠脳波
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