xiv読み書き障害について[読み書き]読み書き障害とは,限局性学習症の一つで,‘読む’‘書く’の習得に著しい困難が生じるものです.ひらがな,カタカナ,漢字の文字や単語が正しく読めない,流暢に読めないなどが起こり,読解や学業への影響が心配されます.就学前に読み書きの素地が十分に整っていないと,就学後に困難さが表面化します.就学前には,読み書きの力そのものに注目するのではなく,文字習得の素地が整っているかを見極めることが大切です.読み書き障害の原因について子どもは就学の頃までに,日本語を話す基本的な力を身につけます:日本語の音をほぼすべて聞き分ける力,発音できる力,基本的な語順や単語の知識,日常生活で言葉を使ってやりとりする力などです.幼児期には,文字への関心が育ちます.また,ことば遊びなどを通じて単語の中の音への気づきが生まれます.これらが,読み書きの習得に大きく影響することがわかっています.読み書き障害の原因には,読み書きにかかわる神経学的な発達に支障があると推定されています.以下に示す読み書きが育つ素地の4点について,観察しましょう①文字に興味や関心があるか➁ことば(単語)の一つ一つの音への気づきがあるか(単語を一つ一つの音に分解できるかなど)
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