47I 分岐部脳動脈瘤のすべて■症例2(double catheter technique) 62歳男性.左破裂中大脳動脈瘤.化学療法中の汎血球減少にて塞栓術を選択した.脳動脈瘤は二コブ状であり,コイル充填の際,分枝血管との分離は不可能であり不十分なワーキングアングルとなることが予想された(図3a,b).そのため,塞栓術での根治は厳しく,一時止血の観念で塞栓術を選択した.各瘤にマイクロカテーテルを1本ずつ挿入し,M2と同一視される瘤より塞栓した(図3c).もう一方の瘤を分岐部にコイルループがかからないようにフレーミングを作成し(図3d),追加塞栓を行った(図3e,f).術後,再出血なく経過したが,再増大を認め化学療法終了後,根治目的に開頭術を施行した.■症例3(VRD併用) 84歳女性.右未破裂中大脳動脈瘤.右動眼神経麻痺による症候性右内頸動脈瘤の塞栓時に多発脳動脈瘤と診断した(図4a).84歳と高齢者であり,塞栓術を選択した.Jailing techniqueとしNeuroform Atlas(ストライカー)を留置すると,M2(anterior trunk)起始部Technique 中大脳動脈瘤は頚部が広く,1stコイルでのフレーミングの作成は重要である.Simple techniqueではあるが,マイクロカテーテルの操作が必要になることが多い.図1 中大脳動脈瘤は,的確な剥離により全周性に視覚的確認が可能である図2 症例1:右破裂中大脳動脈瘤.simple techniqueacbdegfh
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