2497動画で学ぶTCR
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22 左側頸管内 type 1 17.4 cm 3G-3P 46歳 閉鎖神経反射17.4×10.9×10.7 cmの筋腫はリュープリン3.75×6回で14.8×10.8×10.0 cmに縮小.①②③①筋腫にピトレシンを局注し鉗子で牽引して,クーパーで切除します.②筋腫は広範囲に頸管に付着し,牽引しても下降せず,凝固30W持続通電のボール電極で剥離しました.電極を筋腫に向け全周に剥離を進めます.筋腫筋層間の結合が緩い頸部筋腫は剥離が容易で,漿膜測筋層が菲薄でも穿孔や披裂は起こりません.剥離により少し下降がみられ,可能な限り直視下に切除しました.切除できなくなれば再度剥離しましたが,あまり下降せず子宮鏡下に切除することにしました.60Wで切開時に右下肢に閉鎖神経反射が起こりました.この反射は全麻でも起こり,急激な体動による意図しない切開の危険がありますが,軽度だったので切削を続行しました.出血量が多く一期的完全摘出は断念し,栄養血管の離断による残存筋腫の縮小を期待し,ボール電極凝固モードで全周を可能な限り剥離しました.③終了時に腟内にガーゼを入れ双手圧迫で止血しました.手術時間2時間11分で,322 g摘出し翌日退院しました.壊死筋腫に感染を生じたため抗生剤投与し,残存筋腫を8回にわたり経腟的に241 g摘出しました(手術時摘出量と合わせて563 g).4か月後のMRIでは,頸管内左側に筋腫の残存が見られましたが,月経は正常化していたので残存筋腫の摘出はせず経過観察しました.術後1年経過しましたが,エコーで筋腫の増大は見られず無症状のため無治療で観察を継続しています.動画症例紹介71動画症例紹介

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