2497動画で学ぶTCR
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が可能となり,type 0の茎基部の切離や筋層に貼りつくように残った筋腫の切削に適します.②は任意の長さで切ることができますが,浅い切削になりやすいので柔らかな組織を長く切る場合や切削終了時に適します.③は安定したサムリング操作とスコープ操作の協調が必要ですが,慣れれば効率的な切削が可能となるので,実際の手術のために習得すべき手技です.<サミング切削法 thumbing carve method>大きな筋腫に適応を拡大するには切削効率を高める工夫が必要です.筋腫表面をなでるような浅い切り込みでは薄い切片しか削れませんが,筋腫を剥離し筋腫表面の円弧に沿わせスコープを引けば長い切片を切ることができます.ループを筋腫にしっかり食い込ませ,長く厚い切片で安全に効率的に切削する手法「サミング切削法」を紹介します.内膜のように柔らかな組織では,ループをビークから出した状態で固定し,連続通電でスコープを手前に引くように移動させれば,任意の長さの切片を切ることができますが,ある程度硬い筋腫ではループが筋腫に食い込まず,薄い切片しか切れません.しかし,スコープを一定の速さで引きながら,連続通電でサミングの動きを加えると,ループが筋腫に食い込み厚い切片を切ることができます.「シャクトリムシが前進するような動き」ですが,電極とスコープを交互に動かすのではありません.スコープの動きは止めずサミングを続ければ,結果として電極はgo and stopを繰り返すような動きになり,筋腫をしっかり捉えることができるのです.<サミング切削法(thumbing carve method)の電極とスコープの動作イメージ>スコープを一定の速さで引きながらサミングでループの前後運動をくりかえすまず,ループをビークに格納した状態で切削部位まで持ってきます.サムリングを押し込んで筋腫の裏側にループを当て通電し,スコープを手前に引きながらサムリング操作でループを引き切削を進めます.サムリングを押し込んだところで(電極がシースから出たまま)スコープを引いていけば,長い切片を切れますが不安定で浅い切削になりやすく,切り終わり時にループがビークから離れているとループのシャフトに負荷がかかり曲がりやすくなります.そこで,スコープを手前に引きながらサムリング操作でループをビークに近づけていきます.ループをビーク内に引き込んでしまうと,それ以上の切削ができなくなるので,ループをある程度引き込んだところでサムリングを押し込みループをビークから遠ざけます.ループを上向きにしていれば,筋腫の自重でループが深く食い込みます.食い込みの手ごたえを確認したら,総論総 論31

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