2508プライマリ・ケアに活かすがん在宅緩和ケア
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事例3 膀胱留置カテーテルでQOLが向上したCさん(70歳代女性)<在宅緩和ケア開始までの経過> X年1月 大腸がんの診断で手術し,半年後に骨(腰椎)転移と診断 X+1年6月 腰痛が強くなりオキシコンチン®の服用を開始 X+1年7月 ベッドから起き上がれなくなり,疼痛コントロール目的で入院 内服困難のためオキシコンチン錠®30 mgからフェントス・テープ®1 mgに変更 退院時は,フェントス・テープ®3 mg,レスキューはオキノーム散®10 mg<8月6日 在宅緩和ケア初日> Cさん : とにかく早く帰りたかった.痛いと言うと,薬を持ってきてくれるだけだったし. 大岩 : どこが,痛かったのですか? Cさん : 腰が痛いけど,こうして横になっていれば,痛みはないです. 大岩 : こうすれば,痛みが楽になるということがあるのは,とても良いです. 長男 : 痛そうでみていられませんでした.だから入院したけど. Cさん : トイレが…(お腹をさすりながら宙をみている) 大岩 : 大変ですか? 長男 : 手をひいて,休み休みですけどトイレには行っています. 大岩 : トイレに行くのは大変ですか? Cさん : 息が苦しくなるわね,それより喉が渇く. 大岩 : お水を飲みますか? Cさん : ええ(水を飲んで)おいしい. <8月13日 訪問診療> 長男 : しょっちゅう起き上がりたいと言います. 起こしてあげても,すぐに疲れて横になっちゃって,何度も繰り返しています. 大岩 : 唇が乾いていますけど,お水を飲みますか? Cさん : (うなずく.1口だけ飲んで)おいしい! 長男 : ギリギリまで我慢しているみたいで震えている.トイレに行く途中でオムツに出ちゃうことも多くて,オムツを換えるのも嫌みたいで,痛がるし. 大岩 : トイレに行くのが大変であれば,管を入れる方法もありますが? Cさん : (すぐに)お願いします. (膀胱留置カテーテル挿入) Cさん : 出ている? 大岩 : 出ています.お水はたくさん飲んで大丈夫ですよ. Cさん : ゴクゴクゴク(連続飲み)長男 : お水も我慢していたの? Cさん : (にっこり大きくうなずく)長男 : 「痛い」と言うと薬が増えたけど,増えても痛みは変わりませんでした. Cさん : 頭がボーッとしちゃうだけ. 8

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