2512高齢者診療のための臨床検査ガイド
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┃250┃●96~99%基準値臨床的意義・酸素飽和度(SO2)は酸素化能の指標で,酸素を結合することができるヘモグロビンの量に対する酸素加ヘモグロビン(O2Hb)の量と定義され,SO2=O2Hb/(O2Hb+RHb)×100(%)で示される(RHb:脱酸素ヘモグロビン).・動脈血酸素飽和度(SaO2)の測定法には,血液ガス分析装置に組み込まれたCOオキシメータを用いて動脈血のO2Hb濃度とRHb濃度を測定して求める方法と,パルスオキシメータを用いて経皮的(percutane-ous)・非侵襲的に測定する方法がある.パルスオキシメータを用いて測定したSaO2はSpO2と表記する.・SO2とPO2の関係はヘモグロビン酸素解離曲線で表され(図1),PO2が低下するとSO2は低下する.・酸素解離曲線はS字の形は変わらないが,温度,PCO2,pH等の変化によって左右に移動する.pH=7.4,PCO2=40 Torr,37℃のPO2 60 TorrはSO2 90%である.同時に確認すべき他の検査値・動脈血でSaO2を測定する場合は,pH,PaO2,PaCO2,HCO3-が同時に測定できる.・パルスオキシメータでSpO2を測定する場合は,脈拍数が同時に確認できる.パニック値または見逃してはならない異常値・SpO2が95%以下は低酸素血症の,90%以下は呼吸不全の可能性がある.・慢性呼吸器疾患や循環器疾患があり,病状が安定していても低酸素血症を呈する場合は,安定時の安静時と運動時のSpO2を把握しておき,普段の値より3%以上低下したら有意な低下があると判断する.追加すべき診察,検査・パルスオキシメータはSpO2と脈拍数は測定できるが,PaCO2とpHは測定できない.したがって,SpO2が90%未満で呼吸不全が疑われる場合,動脈血ガス分析を行ってI型・II型呼吸不全の有無,酸塩基平衡障害の有無を確認する.・症状聴取や聴診,胸部X線撮影等を行い低酸素血症やその悪化の原因を調べる.097動脈血酸素飽和度血液ガス,酸塩基平衡i

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