2523言語聴覚士ドリルプラス 器質性構音障害
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読み解くためのKeywordKeyword9解答第2章 器質性構音障害の基礎1①鼻腔,②口腔,③咽頭腔,④硬口蓋,⑤口蓋垂,⑥舌小帯2⑦内転,⑧喉頭原音,⑨外転,⑩迷走,⑪内喉頭,⑫音声障害3⑬軟口蓋,⑭子音,⑮構音点,⑯構音様式,⑰口唇,⑱声門,⑲破擦音,⑳接近音(⑲,⑳は順不同)喉頭原音 音声言語の生成は,呼吸,発声,構音の三つの過程に分けられる。呼吸器の運動によって呼気が生成され,その呼気をエネルギーとして声帯振動が起こる。この振動により空気の粗密波が生じ,これを喉頭原音という。これが言語音の音源となり,この過程を「発声」という。無声音の場合は,声帯は外転し,声帯振動は生じない。この声帯の動きは喉頭神経(迷走神経枝)支配の内喉頭筋によって調整されており,この調節機構が破綻した場合,または声帯そのものの動きを阻害する器質的な病変が生じた場合,音声障害をきたす。声道 声道とは,共鳴腔としての役割を果たす口腔,鼻腔,咽頭腔を表す言葉である。声道の形を変えることにより,共鳴周波数を変化させる。声道の形状を決定するのは,口唇,舌,軟口蓋,下顎といった特に可動性の大きい発語器官である。このような言語音生成のために適切な声道を形作る器官の動きを「構音」という。構音点(構音位置) 母音産生時,軟口蓋が挙上し,鼻咽腔を閉鎖する以外,基本的には声道に強い狭めや閉鎖は起こらない。これに対し,子音産生時には声道内に強い狭めや閉鎖が起こる。この狭めや閉鎖が起こる位置を「構音点」という。日本語子音の構音点は,口唇,歯,歯茎,硬口蓋,軟口蓋,声門に分けられる。構音様式(構音方法) 構音点における呼気の操作を「構音様式」という。構音様式は,摩擦音,破擦音,破裂音,鼻音,接近音,弾き音に分けられる。たとえば,[k,g]であれば「軟口蓋破裂音」のように,構音点-構音様式の組み合わせによって表わされる。有声・無声子音 上記の構音点,構音様式とは別の対立軸として,声帯振動の有無による区別がある。[g,dz,d]のように声帯振動を伴うものを「有声子音」といい,[k,s,t]のように声帯振動を伴わないものを「無声子音」という。●子音の構音位置・構音方法構音位置構音方法両唇音歯茎音歯茎硬口蓋音硬口蓋音軟口蓋音声門音破裂音無声ptk有声bdg破擦音無声tstɕ有声dzdʑ摩擦音無声ɸsɕçh有声zʑ鼻音有声mnɲŋ弾き音有声ɾ接近音有声ɰj(ɰ)※新版構音検査のなかでは,一部簡略化した音声表記が用いられるため,区別して覚えるようにしましょう。

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