2524発達障害のある子へのことば・コミュニケーション指導の実際 改訂第2版
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第4章 指導課題とその実際62 0-Aの言語・コミュニケーション領域の課題を全て以下に示す.本文ではその中のいくつかについて解説する.❶理 解・基礎:物を持たせると,型はめをする,中に入れる,マッチングするなど,求められていること(意味)がわかる❷表 出・身ぶり・AAC:抱っこや指さしなどのような直接的な身ぶり表現で要求する❸関わり・対人意識:褒められると嬉しそうにする・対人意識:相手の手を引っ張って人を呼ぶ・対人意識:声の調子によって,ムードを察して動きを変えることができる(あーーっなどの大きい声に反応して,動きを止めるなど)・見通し:提示された量の課題に応じられる・対人意識:物を介してアイコンタクトが可能になる・従命:片づけができる●理解課題 ▶物を持たせると,型はめをする,中に入れる,マッチングするなど,求められていること(意味)がわかる はじめの段階としては,ごみを渡してごみ箱に捨てさせるなど,一対一の物と物との関係を学ばせる.この課題を達成するには,子どもの側に,ごみはごみ箱に捨てるものであるという知識や経験が必要である.そのためには,髪をとかす,口を拭く,お片づけをするなど日常生活のいろいろな動作をする時に,子どもに語りかけたり道具をよく見せたりしながら,その動作や物に子ども自身が積極的に関わっていけるように配慮していくことが望ましい.あるいは,このような日常生活動作に関わるものだけでなく,型はめや玉入れなどのようなおもちゃを使ってもよい.次の段階は,子どもにコップを持たせ,机にもコップとお皿を置いておき,子どものコップを机のコップの上に重ねさせる(図1).子どもは,自分が手にしているコップと,机の上にあるコップとお皿を見くらべ,同じもの同士に分ける作業をしなくてはなら図1 コップとお皿を上に重ねさせる指導課題とその実際第4章音源定位:音や声に気づく/ちょうだいで渡す0-A

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