2524発達障害のある子へのことば・コミュニケーション指導の実際 改訂第2版
7/8

650-B 音源定位:音や声に気づく/「~して」を実行するくり返し行う.何度か遊んだ後,♪階段のぼって……で一度中断して待ってみる.そうすると,子どもが「アレ? おかしいな?」といった顔で視線を合わせてくることがある.子どもはこのとき,次にくるコチョコチョを予想し,期待して待っている.子どもと視線があったらすぐにコチョコチョをし,子どもの期待に応える.このように,何度か同じ遊びを繰り返すことにより,子どもは次にこうなるという展開を理解し,期待して待つようになる.いったんコチョコチョが終わった後,今度はすぐに遊びをくり返さず,しばらく待ってみる.子どもがもう一回遊んで欲しくて自ら手を出してきたら,「もう一回ね」と声をかけて遊ぶ.可能であれば,「もう一回ね」と声をかけるときに,人さし指を一本立てて子どもに見せ,子どもが指を真似することができればさらによい.(このとき,指の形は多少崩れていてもよい)子どもは,人さし指を立てることが「もっとやって」という意味の身ぶりであることを学ぶかもしれないからである.“一本橋コチョコチョ”や高い高いなどの身体を使った遊びは,簡単に何度もくり返し経験できるのが強みである.くり返し同じ経験をすることが,学びの第一歩である.●関わり課題  ▶片づけができる 「片付けなさい」とだけ言われても,この時期の子どもはまだ何をすればよいのかがわかっていない場合が多い.おもちゃ箱などを用意し,そこに「持って」「いれる」「しまって」などの違うことばでもよいので,おもちゃを持って箱の中に入れるように促す.何を言われているか,よくわからないようであれば,「持って」「入れて」「お片づけ」と声かけを変えてみる.手を取って一緒に持ち,中0-A0-B1-A1-B1-C2-A2-B2-C2-D2-E3-B3-C3-D3-E3-F4-C4-D4-E4-F4-G5-D5-E5-F5-G5-H6-E6-F6-G6-H6-I7-F7-G7-H7-I8-G8-H8-IB:「~して」を実行する0:音や声に気づく図1 はじめは大人も一緒に片づけるに入れてしまってもよい.添える手の力を少しずつ弱くしていったり,子どもがおもちゃに手を伸ばすところだけは手伝うけれども,そのあとの入れる動作は,手に触れるか触れないかくらいで,動きの方向だけを誘導するようにしたりと,段階的に手伝いを減らすようにしていく.歌が誘導に使える子どももいる. たくさんのものを出して遊んだ場合には,全部を子ども一人に片づけさせるのは大変である.大人も「いれて」「いれて」といいながら,一緒におもちゃを片づけていく(図1).その時に,最後の1個か2個は子どもに入れさせるようにして,「片付け終えた」実感を得られるように配慮する.0︱B1︱B2︱B3︱B4︱B5︱B6︱B7︱B8︱B

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る