2526小児感染症診療マスト&ベスト
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xvii▲イントロダクションここでは,本書のフローチャートに入る前に感染症診療の総論を導入として概説する.■感染症診療の原則〜infection triangle〜感染症の原則として「感染症の三角形」は常に意識する必要がある.①微生物,②感染臓器,③抗微生物薬がそれぞれ関連しており,中心に患者背景(免疫不全,社会的背景など)がある.たとえば,「乳児の初発尿路感染症」であれば①E. coli(80%以上),②尿路,③CTMなどの第2世代セファロスポリンといった形である. 微生物患者背景感染臓器抗微生物薬抗微生物薬を使用する場合は①か②のいずれかは必ず意識する.原則,「重症患者のため」という理由のみでの抗微生物薬使用は控える.重症患者や患者背景が複雑で抗微生物薬を使用せざるをえない場合でも思考停止せず,必ず一度立ち止まって①,②を考えよう.特に患者背景が複雑でむずかしい症例ほど,原則に立ち返り3つの頂点を意識することで解決に至る場合が多い.■感染症診療の流れ仮説予測検証初学者であるほど,感染症診療はA=B(たとえば尿中白血球反応陽性=尿路感イントロダクション

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