2526小児感染症診療マスト&ベスト
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xix▲イントロダクション場合は特定のセクションだけを確認しがちで全体像が捉えにくい.何がどこに書いてあるかを探すだけでも一苦労である.1枚のフローチャートをパッと見るだけで,テーマの感染症について症状~治療・フォローアップまでの全体像を捉えやすいように心がけた.また1枚にまとめているため,他の人と共有しやすいという利点もある.■新・感染症の三角形~“new” infection triangle~冒頭で感染症診療の原則である「感染症の三角形」について説明したが,兵庫県立こども病院感染症内科オリジナルの「新・感染症の三角形」を紹介する.①ロジック(エビデンス,論理的な思考),②目の前の患者の経過・ゴール,③信念(愛と哲学)であり,このバランスが重要である.もちろん,evidence-based medicineが大前提だが,患者によっては当てはめられない場合が,ときどきある.その場合に何を根拠にするのか?それが「信念(愛と哲学)」である.自分がどんな医師でありたいのか,どんな小児科医でありたいのか,患者にどうなって欲しいのか常に自問自答し,信念として昇華することで最適な治療が可能となるだろう.ちなみに私の信念は「患者も,患者家族も,スタッフも,自分もhappyになる小児診療」であり,安全・安心は大前提のうえで,可能な限り入院より外来治療,点滴より内服抗菌薬ということを意識している.ロジック治療方針患者の経過・ゴール信念(愛と哲学)新・感染症の三角形(兵庫県立こども病院感染症内科オリジナル)■見落としがちな感染症診療の3原則①“発熱”や“CRP上昇などの検査異常”を治療するのではない発熱をきたす“臓器”に感染した“微生物”を治療する.

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