2526小児感染症診療マスト&ベスト
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▲生後3か月未満の発熱 鑑別診断フロー3第1章症候別の鑑別診断▲解 説1フローチャートの解説□まずは緊急度・重症度,shock vitalかを確認し,異常を認める場合はICU入室を考慮する.生後3か月未満の発熱におけるICU入室時3セットは以下のとおりである.①ルート&血液培養複数セット,カテーテル尿培養,髄液培養②輸液ボーラス③抗微生物薬投与(2 疾患の解説参照)▶髄膜炎を疑う:CTX(またはMEPM)+VCM (CHART㉚参照)▶髄膜炎は否定的:CTX新生児ヘルペスウイルス(HSV)感染症を疑う場合はACV追加 (CHART参照).□日齢21以内か? 文献3),5)を参考にした(2 疾患の解説参照).日齢22以降で条件をすべて満たす場合は帰宅可能だが,日本の医療制度の場合は慎重に重症感染症をrule outすることを推奨する.□血液検査/培養,カテーテル尿検査/培養,胸部X線検査,髄液検査/培養(特に日齢21以内)を実施.日齢および検査結果によって治療・経過観察入院・帰宅再診を検討する.2疾患の解説a生後3か月未満の発熱(not doing well)・最も重要なポイントは「not doing well(なんとなくぐったり)に気づけるか」not doing wellを示唆する身体所見・食べない,寝ない,遊ばない・呼びかけても反応が乏しい・泣き声が弱い,ずっと泣いている・顔色が悪い(土気色)・視線があわない・筋緊張低下・家族からの「普段と違う」・診察医の違和感・上記を満たす場合は,感染症への介入の前に「人を呼ぶ・酸素・モニター・必要時CPR(心肺蘇生)」・感染症に対しては,①full sepsis work up(血液検査/培養,カテーテル尿検査/培養,髄液検査/培養,胸部X線検査),②新生児HSV感染症の可能性も忘れずに(CHART参照)・viral sepsisを忘れない.HSVのほか,エンテロウイルス感染症やヒトパレコウイ

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