148脳血管内治療ブラッシュアップセミナー2021の虚血性の合併症も,diffusion陽性率ではありますけどもsingle balloonでも25%,ステントを使うと半数以上に虚血巣が出る.ステントを使用したときには,とくに抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)が半年くらい,そのあと単剤療法(SAPT)でしばらくいかなければならないということなどを考えると,narrow neckでカテーテルを自分でコントロールできるような動脈瘤に関しては,シンプルテクニックでまず考えたいと思います. ネックがやや広い場合にはバルーンを使用しますし,母血管のほうまで動脈瘤であるというものに関しては,LVISなんかのbladedステントを併用したコイル塞栓術がいいんじゃないかなと思います. シンプルテクニックというのは一番術者によるというか,結果の差はもっとも大きいというところがあるので,治療する者としては醍醐味というかやりがいある動脈瘤ではないかなと思います.以上です.司会(伊藤) そうすると先生はPREMIER適応とかFREDの適応はあるけれども基本的にはあまり5~10 mmの大きさではFDを考えないということですね.石原 そうですね.broad neckで母血管のほうに動脈瘤が及んでいる場合には考えられるかと思いますが,私自身FDの経験も浅いですし,いまのところはFDを選択肢としては入れていません.司会(伊藤) 続いて大石先生お願いします.■FDかステントアシストか大石 私はFDかステントアシストかという風に考えました.みなさんご存知のように,PIPELINE FrexはPIPELINEのPREMIREで5 mm以上が適応になっていて,FREDは最初から5 mm以上ですので,やはりIC paraclinoidは今後はステントアシストかFDかという話になると思います. もちろん,バルーンとかシンプルという話が出てくると複雑になるので,今日はステントかFDという議論でまとめさせていただきます. ステントとFDの違いというのは,どっちにしてもDAPTはしないといけない,抗血小板薬を服用しなければならないので,そこは同じ土俵です(表2).ただ,FDの場合,瘤の中にものを入れないので,術中破裂のリスクがない.ステント支援脳動脈瘤塞栓術(SAC)はどうしてもそれがあるということと,問題は逆にFDはすぐには瘤が消えないので,SACは治療した後で,患者さんにもう破裂はしませんよ伊藤 靖 先生宮地 茂 先生藤中俊之 先生consensus自然歴UCAS score 2~6点(0.6~3.7%/ 3y.)(Tominari S, et al.:ANN NEUROL 2015;77:10501059.)再治療が必要になる割合4.8%/ 12y.>10mm large aneurysmに多い(Koyanagi M, et al.:J Neurosurg 2018;129:14921498.)Unruptured ICA-paraclinoid aneu-rysmの再開通 4.6% / 6y. (Funakoshi Y, et al.:AJNR 2020;41:828835.)Ajunctive techniqueによるDWI陽性所見Single balloon 25%, double balloon 58%, stent 58%(Takigawa T, et al.:Neuroradiology 2014;56:10791086.)抗血小板薬の使用Simple techniqueあるいはballoon as-sistの場合,SAPT 3か月程度Stent assistの場合,DAPT6か月程度,その後もSAPTが一般的表1 ICA(except PCoA), ≦10mm治療適応に関連する項目
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