2533術中脳脊髄モニタリングの指針2022
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13A 総 論Ⅱ検査技術の基礎Ⅱ検査技術の基礎インピーダンスについて2⿎ポイントインピーダンスとは交流信号の電気回路における電圧と電流の比をいう.生体電位測定に関係するインピーダンスには,電極インピーダンス,皮膚インピーダンス,入力インピーダンスがある. インピーダンスとは交流信号の電気回路における電圧と電流の比のことである.生体電位測定に関係するインピーダンスには,電極インピーダンス,皮膚インピーダンス,入力インピーダンスなどがあるが,電極インピーダンスと皮膚インピーダンスをあわせて電極インピーダンス,あるいは接触インピーダンスと表現されることもあり,混乱しやすいので注意が必要である.1)電極インピーダンス 電極自体がもつインピーダンスで,前述したように,生体に設置した電極に電流が流れると分極電圧が発生するが,そのときの電流と分極電圧との比が電極インピーダンスである.電極と電解液の界面には電位差,すなわち二重層容量が存在し,これがコンデンサの働きをするため電極インピーダンスは記録する電位の周波数によって変化する.たとえば,分極電極である白金電極は,低い周波数では大きな電極インピーダンスを示すが,周波数が高くなると電極インピーダンスは著しく減少する.また,不分極電極に近い銀/塩化銀電極は,低い周波数においては小さなインピーダンスを示すものの,周波数が増加しても電極インピーダンスはあまり減少しないという特徴がある1,2).したがって,すべての生体電位測定において,不分極電極が分極電極より電極インピーダンスに関して優れているということではない.2)皮膚インピーダンス 皮膚インピーダンスは,皮膚の条件によって大きく変化するが,記録の対象となる電位の周波数によっても変化することに留意する必要がある.たとえば表皮の角質層は非常に抵抗率が高いが,きわめて薄い(40 μm)ために比較的大きな静電容量をもっており,低い周波数では50~100 kΩ/cm2と大きなインピーダンスを示すものの,高い周波数になるとインピーダンスは減少する1,2).3)入力インピーダンス 入力インピーダンスとは,交流信号の電気回路における回路の入力部がもっている抵抗のことである.測定したい生体電位をEとし,電極インピーダンスと皮膚インピーダンスをあわせた値をZ1,入力インピーダンスをZ2,増幅器に入力される電位をVとすると,V= Eとなるのが理想ではあるが,実際に増幅器に入力される電位はV=【Z2 / (Z1+Z2)】×Eであり,Z1とZ2の値によって影響を受ける.ここでZ2の値がZ1より大きければ大きいほどVの値がEの値に近づくことが理解される(図1).電極インピーダンスや皮膚インピーダンスは電極の種類や周波数によって変化するため,それらを考慮した電極インピーダンスと皮膚インピーダンスの最大値より100倍以上大きな入力インピーダンスが必要とされる.記録される電位に与える電極インピーダンス・皮膚インピーダンスと入力インピーダンスの関係E:測定したい電位Z1:電極インピーダンスと皮膚インピーダンスをあわせた値Z2:入力インピーダンスV:増幅器に入力される電位Z2>>Z1であればVの値がEに近づく図1EV皮膚・電極インピーダンスZ1Z2V = Z2Z1 + Z2× E入力インピーダンス

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