2533術中脳脊髄モニタリングの指針2022
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74B 各 論ためである.正常脊髄では下行性,上行性ともに2~3峰性の陰性電位となる(図15).上行性電位は下行性電位よりも振幅が小さいのは,咽頭電極が脊髄から離れているためである.6)電位変化 下行性電位は上行性電位に比べ,明らかに脊髄の伝導性障害の発生に鋭敏に反応する.髄内腫瘍の摘出で後索を切開するような場合を除くと,下行性電位の評価だけでも十分である.安定した電位であるので,振幅がコントロールの80%に低下した時点で術者に注意を促し,50%の低下で手術操作の中断を要請している.経咽頭刺激下行性SCEPと咽頭記録上行性SCEP下行性電位は刺激を上げていくと途中で潜時の早い第1陰性電位が現れる.右の上行性電位は正常脊髄ではtype1のような3峰性となるが,脊髄症状が重症化した症例ではtype 2やtype 3のように陰性電位の数,振幅ともに減少する図15type 1type 2type 3150 V240 V280 V350 V経咽頭刺激下行性SCEP咽頭記録上行性SCEP2 ms50μV1 ms20μV経鼻咽頭電極a:経鼻咽頭電極,b:経鼻咽頭電極設置の単純X線である上位頸髄のモニタリングでは遠位端の電極の位置を確認する必要がある図146F4Fab

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