3二次評価・・二次評価は焦点を絞った病歴聴取と,詳細な身体診察からなる.・・ 病歴聴取は,S自他覚症状・Aアレルギー・M薬物・P病歴・L最後の食事・Eイベントからなり,SAMPLEと覚える.・・ クループ症候群や気管支喘息では,一次評価で吸入を開始し,吸入中に保護者からSAMPLE聴取することが多い.・・ SAMPLE聴取の最後に,「ありがとうございます.あとでもう一度詳しく聞かせてください」と話す.SAMPLEで得られる情報には限界があるので,あらためて詳細に問診する必要がある.また,状態が不安定な状況で保護者自身が動揺しているケースでも,この声かけをしておくと,次に問診したときにより明瞭で理路整然とした情報になることがある.1評価a自他覚症状(S:signs and symptoms)・・ 「何があったのか,手短に教えてください」と尋ねる.「今日はどうされました?」という質問よりも,焦点が絞れた情報を得られやすい.ここで得られた情報の「主訴」が自他覚症状に該当する.二次評価のタイミングSAMPLE聴取に時間はほとんどかからない.一次評価で指示した処置の準備中の間に,SAMPLEを聞き取ってもいい.たとえば,待合室で子どもが突然けいれんしたとき,体位保持,酸素投与し,静脈路キープと抗けいれん薬の準備をほかの医師がしている間に,SAMPLEを聞き取ってもいい.「一次評価を終えるまでは,二次評価のSAMPLEは取ってはいけない」という思考は捨てること.33
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