2540小児科ですぐに戦えるホコとタテ
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発 熱1基本姿勢・・ 他項と同様,まずは体系的アプローチである.体系的アプローチの省略はありえない.・・ また,症候学の省略は可能だが,ウイルス性上気道炎とウイルス性胃腸炎についてだけは,必ず症候学を経由する.・・ 子どもで最も多い来院理由が発熱である1).したがって,症候学の「発熱」は小児診療の基本である.・・ 川崎病(p.320)とPFAPA(Periodic fever, aphthous stomatitis, pharyngitis, and adenitis)症候群(p.511),新生児のうつ熱,熱中症(p.532)を除けば,子どもの発熱は感染症と考えてよい.→感染症以外の発熱(p.64)参照.・・ 小児科外来診療の責務は細菌感染症を見抜くことである.細菌感染症のリスクは,生後3か月未満,発熱4日以上,重症度項目に該当,肺炎(p.199)の存在,尿路感染症の既往である.・・ 「抗菌薬が必要かどうか」という視点では,中耳炎の評価は重要である.特に耳痛を訴えられない2歳未満の子どもには,鼓膜観察は必須である.・・ 英国国立医療技術評価機構(National Institute for Health Clinical Excellence: NICE)ガイドライン2)とUpToDate®3)を参考に,「発熱フローチャート(図1)」を作成した.この「型」を遵守すれば,発熱外来診療の質が安定する(夜間・休日でも,疲れているときでも,不適切な診療にならない).・・ なお,発熱以外の症状から,病名を簡単に診断できる場合もある(たとえば,発熱と手のひら・足の裏の発疹があれば,手足口病である).→症状による熱源推定(p.62)参照.・・ 「ウイルス性上気道炎・ウイルス性胃腸炎以外の病名である」と自信をもって診断できる場合には,発熱フローチャートを使う必要はない.だが,典型的な経過ではないときは,発熱フローチャートに●Part B 症候学52

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