Ⅱ 色覚の発達 Ⅲ 色覚の検査ー/45石原色覚検査表II下/左12/12 視力と同じで,色覚も生直後から発達していく.視覚誘発電位(visual evoked potential:VEP)を用いた研究で,おおよそ生後3か月頃には色覚の存在が示され,その後最初の1年で徐々に発達していくとされている.視力と同様 日常臨床で遭遇するほとんどは先天赤緑色覚異常であるため,色覚検査もほとんどが先天赤緑色覚異常を対象としたものである. 色覚検査には「仮性同色表」,「色相配列検査」,「アノマロスコープ」がある.仮性同色表は先天色覚異常の検出,色相配列検査は程度判定,アノマロスコープは型判定に用いる. ここでは,スクリーニング検査として広く用いられている「石原色覚検査表」について詳しく述べる.なお,他の検査法の詳細は参考図書を参照されたい.にある程度知能の発達と関係する.1歳頃から,たとえばコップを色で区別するなど事物と関連して色を区別し始め,事物から離れて色を区別し理解できる段階になるのは早ければ3歳,遅いと5歳過ぎである. もっともポピュラーな検査法であり,学校健診などで用いられる.色覚異常者が混同しやすい色の組み合わせを用いて,背景色の中にある文字や図形が認識できるかをみる.主に先天赤緑色覚異常を検出するための検査法である.a.石原色覚検査表II(図2) 含まれている表数により,国際版38表,24表,コンサイス版14表がある.学校健診ではコンサイス版14表が多く用いられている.検出表は色覚異常の有無に関わらず読めるデモン第Ⅰ部●知っておきたい小児の眼の診かた・考えかた122 図2正常/異常正常/異常正常/異常右の数字が読めれば1型左の数字が読めれば2型正常/異常5/ー1.仮性同色表
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