60Part A 検査所見からのアプローチ 表A-8 好中球減少の原因先天性 先天性好中球減少症,周期性好中球減少症,Kostmann症候群など後天性1)造血障害 骨髄占拠性病変〔急性白血病,多発性骨髄腫(MM),癌の骨髄転移など〕 再生不良性貧血 無効造血〔骨髄異形成症候群(MDS),巨赤芽球性貧血など〕2)感染性 細菌(重症細菌感染症,敗血症.まれに粟粒結核,腸チフスの初期,ブルセラ症など) ウイルス〔麻疹,水痘,風疹,インフルエンザウイルス,Epstein-Barr ウイルス(EBV),サイトメガロウイルス(CMV),ヒトパルボウイルスB19,B型肝炎ウイルス,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)など〕 その他(真菌,マラリア,リケッチア)3)薬剤性4)免疫性 自己免疫性好中球減少症 自己免疫疾患〔全身性エリテマトーデス(SLE),Felty症候群など〕5)その他 脾機能亢進症(肝硬変,特発性門脈圧亢進症など) 補体活性化(人工透析など) 神経性食欲不振症 栄養障害(銅欠乏症など)6)成因不明 慢性特発性好中球減少症2)好中球減少のPractice❶好中球減少のアプローチ(図A-7) Practice 2 41歳,女性甲状腺機能亢進症のため2か月前からチアマゾールの内服を開始した.2週に1回の定期受診時,自覚症状はなく身体所見上軽度の甲状腺腫大を認めるのみで,採血を施行し帰宅した.血液検査で,Hb 12.2 g/dL,白血球2,700/µL(好中球4.0%,好酸球1.0%,好塩基球2.0%,リンパ球91.0%,単球2.0%),血小板18.1万/µLのパニック値の報告があった.
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