2548血液検査×総合診療
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267Ⅳ-1 発熱のBasic & Practiceがる情報をいかに見出して疾患を疑い,診断に必要な情報収集や検査を行うかがポイントとなる場合も多い5).・・血液疾患では,好中球減少や,それ以外の様々な要因によって易感染性であることが多く,感染症の合併により発熱をきたすことが多い.・・血液腫瘍自体が原因の発熱も多く,特に悪性リンパ腫は発熱を伴うことが多い.▲▲悪性リンパ腫はFUOの原因であることも多く,2019年のわが国の多施設からの前方視的研究では,FUO 141例の15.6%が悪性腫瘍が原因で,その50%が悪性リンパ腫であった6).▲▲悪性リンパ腫による発熱では,身体所見や画像所見でリンパ節腫大や肝脾腫を認めて悪性リンパ腫が疑われたり,血算の異常やLDH高値などの診断の手がかりとなる所見があることが多い.⇔⇔悪性リンパ腫以外にも,急性白血病でも発熱をきたすことがあり,まれに,骨髄異形成症候群(MDS),骨髄増殖性腫瘍,多発性骨髄 表B-14  Durackらによる不明熱(FUO)の定義不明熱の分類定義古典的不明熱・38℃以上の発熱が3週間以上持続する・3回以上の外来受診または3日以上の入院で精査しても原因不明院内発症の不明熱・24時間以上入院している・入院時には潜伏期間でなく感染症を示す所見がなかった・38.3℃以上の発熱・3日以上適切な検査をしても原因不明好中球減少に伴う不明熱・38.3℃以上の発熱・好中球数≦500/µL・3日以上精査しても原因不明HIV関連不明熱・外来で4週間,入院で3日を超える38.3℃以上の発熱・HIV感染が証明されているHIV:ヒト免疫不全ウイルス(Durack DT, et al.:Fever of unknown origin--reexamined and redened. Curr Clin Top Infect Dis 1991;11:35-51を基に作成)

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