268Part B 臨床症状からのアプローチ腫(MM)で発熱をきたすことがある.・・溶血性貧血,血球貪食症候群(HPS),血栓性血小板減少性紫斑病(TTP),壊死性リンパ節炎などの非腫瘍性疾患でも発熱をきたすことがあるが,通常は発熱以外の症状や所見を認める.・・まれな疾患もあるが,重篤な疾患もあり,発熱以外の所見を手がかりに,いかに疾患を想起できるかがポイントとなることもある.1-2 発熱のPractice Practice 1 48歳,男性4か月前に右鼠径部のしこりに気づいたが,痛みもなく放置していた.2か月前から37℃台の微熱が出現した.2週前から38.5℃まで上昇し,しこりが大きくなってきたため受診した.既往歴に特記事項はない.体温37.0℃,右鼠径部に3 cmまでの弾性硬で可動性があり圧痛のないリンパ節を数個触知する.他の表在リンパ節,肝脾は触知しない.Hb 12.8 g/dL,白血球4,600/µL(分葉核好中球67.2%,好酸球8.6%,リンパ球18.6%,単球5.6%),血小板32.6万/µL,網赤血球0.79%,PT-INR 0.92(基準0.80~1.20),APTT 28.3秒(コントロール28.1),D-ダイマー 0.81 µg/mL(基準0.0~1.0),Cr 1.21 mg/dL,総ビリルビン0.27 mg/dL,AST 13 U/L,ALT 11 U/L,LDH 288 U/L(基準124~222),CRP 3.62 mg/dL.What to do 次に行う検査は➡全身CT» Findings腹部単純CT:右骨盤部から右鼠径部にかけてと腹部大動脈周囲に多発性リンパ節腫脹を認める(図B-14).
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