2555薬疹の上手な診かた・対応ガイド
4/10

134Case3【年齢・性】70代・女性【主訴】痛みと出血を伴う下腿潰瘍【現病歴】20年来,下肢静脈血栓症のため,抗血栓療法,血栓除去術,ストリッピング手術などの治療を受けてきた.特に初診の10年ほど前からは下腿潰瘍を頻繁に繰り返すようになり,皮膚科で潰瘍の治療を受けてきたが,潰瘍部位からの出血が止まらず,激痛を伴うようになった.【初診時症例写真】(伊藤明子:外用薬による接触皮膚炎:医原性の接触皮膚炎を見逃さない,発症させない.小児科 62:397─404,2021と同様の症例)ab両下腿に静脈の拡張,色素沈着がある.左下腿内側に激痛を伴う4cm×8cm大の潰瘍を,右足外側には2cm大の皮膚潰瘍を2個認める.潰瘍周囲には紅斑と脱色素斑が混在している.Case4【年齢・性】40代・女性【主訴】右後頸部の瘙痒と痛みを伴う紅斑【現病歴】自動車事故による頸椎捻挫に対し,4か月間ケトプロフェンハップを右後頸部に貼っていた.症状が改善したため一度使用を中止.1か月ぶりに頸部の張りを自覚したため,残っていたケトプロフェンハップを貼付したところ翌日に,ハップの貼付部位に一致して淡い紅斑が出現したため,使用を中止.その3日後に屋外のプールに入ったところ,右後頸部にヒリヒリとした痛みを自覚したため,翌日,受診.

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る