2555薬疹の上手な診かた・対応ガイド
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136・近年,過酸化ベンゾイルは,ざ瘡の面皰治療に広く使用されるようになったが,接触皮膚炎を生じることが知られている.・過酸化ベンゾイル含有外用薬を使用しはじめてしばらくは,刺激を生じうるため,接触皮膚炎に気がつけない場合がある.・過酸化ベンゾイルによる接触皮膚炎では,血管浮腫類似の顔面の腫脹や,塗布範囲を超えた皮疹を生じることがある.・難治性の皮膚潰瘍に対し,長期間にわたり外用治療をしている場合に,外用薬に感作される場合がある.・皮膚潰瘍が難治な場合は潰瘍治療に使用している外用薬による接触皮膚炎を疑う.・外用薬を変更しても,症状が改善しない場合は,複数の外用薬や成分に同時に感作されている可能性を考える.・湿布薬による接触皮膚炎は,貼布部位に一致した皮膚炎を生じるため診断は容易であるが,ケトプロフェン含有製剤は,貼布をやめたあとでも,光接触皮膚炎を生じ得る.・露光部に境界明瞭な湿疹病変を認めた際には,初診時より以前に遡ってケトプロフェン含有製剤の使用の有無を確認する.追加でチェックすべき検査❶原因が明らかではない場合には,原因製品や成分を同定するためにパッチテストを実施する.問診上,疑えなかった原因が判明する場合があるため,患者が使用していた外用薬とともに,可能な限りジャパニーズベースラインシリーズ(Japanese baseline series:JBS)を貼るとよい.❷パッチテストにおいて,複数の外用薬で陽性反応が観察された場合は,含有成分についてパッチテストを再検討する❸接触皮膚炎か否か,診断に迷う場合は皮膚生検を行う.まずやるべき対応 接触皮膚炎を疑った場合は,使用する外用薬を変更する.皮膚科にコンサルテーションをすべきと思われる場合のポイント 外用薬の変更後も症状の改善がみられない場合は皮膚科専門医に相談する. その際には,患者の基礎疾患の情報とともに,使用してきた外用薬の製品名,使用期間などの情報を皮膚科に提供すると原因検索がスムーズである.治療方針 接触皮膚炎の原因となる外用薬の使用を中止しなければ,いかなる対症治療を施しても皮疹の改善はない.したがって,接触皮膚炎を疑った場合は,原因として疑わしい外用薬の使用を中止したうえで,必要があれば湿疹病変に対する対症治療をする.症状が改善しない場合や,症状が重篤な場合,原因の推測が難しい場合はパッチテストで原因を確認する.

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