2555薬疹の上手な診かた・対応ガイド
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アレルギー等の基礎疾患がある場合1143D 患者背景別の薬疹の診かたと対応膨疹の誘発はみられなかった.2)NSAIDs不耐症 NSAIDsアレルギーとは異なり不耐症患者にはアトピー素因がなく,中年以降に発症しやすい傾向がある.また不耐症は慢性蕁麻疹に合併することが多く,慢性蕁麻疹患者の約40%はNSAIDs内服後に症状の悪化をみることが報告されており,患者本人も気づかずに見過ごされていることが多い2).問診から過去に2種類以上の異なる構造をもつNSAIDsに対して同様の症状を認めていれば不耐症の可能性が高くなる.それ以外にもミントを含んだ歯磨き粉や天然サリチル酸を含有した香辛料などのNSAIDs類似物質摂取後にも症状の誘発歴があれば,より不耐症の可能性が高くなるため,薬剤内服歴以外の生活歴などの問診も重要となる.実際に図2の症例は,ロキソプロフェン,セレコキシブなどの複数のNSAIDsで膨疹の誘発がみられており,内服負荷試験を行い2種類のNSAIDs内服後の症状出現を認めNSAIDs不耐症と診断されている(図2).❸NSAIDs過敏症の診かた・考え方 NSAIDsアレルギーか不耐症かの診断によって使用可能なNSAIDsの種類が大きく異なり,患者の生活の質(quality of life:QOL)に大きな影響を及ぼすため鑑別が非常に重要となる.理論的には,NSAIDsアレルギーによる蕁麻疹型薬疹はIgE介在性の病態であるため,プリックテストや皮内テストを行うことで不耐症との鑑別が可能であるが,NSAIDsアレルギー患者ではこれらの即時型アレルギー検査で陽性となることは少ない.そのため,確定診断には内服負荷試験を行うことがゴールドスタンダードとなる.❹治療 NSAIDsアレルギー・不耐症ともにアナフィラキシーショックを認めた場合は,速やかに気道と血管の確保を行い,アドレナリンの筋肉注射やステロイド薬を投与する.全身症状がない場合は,瘙痒や皮疹の程度に応じて,抗ヒスタミン薬やステロイド薬の投与を行い,症状を改善させる. 発症の予防として原因薬の回避が基本となる.不耐症では比較的安全に使用可能な薬剤として,COX-1阻害作用が弱いアセトアミノフェン,選択的COX-2阻害薬のセレコキシブ,塩基性ロキソプロフェン内服後に出現した背部の膨疹.セレコキシブ100mg内服30分後に生じた前胸部の膨疹.図1蕁麻疹型薬疹図2NSAIDs不耐症

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