2559遺伝性骨髄不全症診療ガイドライン2023
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4る.ほとんどが散発例であるが,約10~20%の症例では家族歴があり,おもに常染色体顕性遺伝(優性遺伝)の形式をとる1).1936年Josephsにより2例2),2年後にはDiamondおよびBlackfanにより4例が報告され3),独立した疾患概念として確立した.その後,この疾患の病因に関する様々な研究が行われてきたが,長らく病因は不明であった.1999年,Draptchinskaiaらは染色体転座をもつDBA患者の遺伝子解析などから原因遺伝子の遺伝子座が第19番染色体長腕(19q13)に存在し,さらに原因遺伝子が80個あるリボソーム蛋白 (RP) の一つである●DBAには,診断のために有用なスクリーニング法がない.Transient erythroblastopenia of childhood(TEC)との鑑別診断には,赤血球アデノシンデアミナーゼ活性(eADA)の高値(mean+3SD以上)を確認することが有用である.しかし,DBA症例の約20%はeADAが有意の上昇を示さない.eADAと赤血球還元型グルタチオン濃度(GSH)の同時測定により,遺伝子検査で確定診断し得たDBA症例は全例が家族内非罹患者と判別が可能である.●次に確定診断のために遺伝子診断を行う.なお,通常のシークエンス法(Sangerシークエンス,あるいは次世代シークエンサーを用いたターゲットシークエンス)で遺伝子変異を同定できない場合は,片アレルの大欠損を解析する必要がある.このような解析を行っても,わが国では原因遺伝子が同定されるのは全体の約60%にすぎない.乳児の網赤血球減少を伴う大球性貧血(あるいは正球性貧血)Diamond︲Blackfan貧血(Diamond︲Blackfan anemia : DBA)は,乳児期に発症する赤血球造血のみが障害される先天性の赤芽球癆である.骨髄は正形成であるが赤血球系細胞のみが著減し(口絵1-A),末■血では網赤血球が減少し,大球性正色素性貧血を呈する.約40%の症例で様々な身体の先天異常を合併することが知られている.大頭,小頭などの頭部,顔部の異常が最も多く,上肢,眼,泌尿生殖器系,心臓の異常や低身長がみられ骨髄検査で赤芽球前駆細胞の消失を伴う正形成骨髄所見eADAまたはGSH高値Diamond︲Blackfan貧血(DBA)として遺伝子診断診断のフローチャート① 疾患概念診断へのアプローチDiamond-Blackfan貧血II

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