2559遺伝性骨髄不全症診療ガイドライン2023
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表1 先天性赤芽球癆(Diamond-Blackfan貧血:DBA)の診断基準(案)(2021年9月改定)6Definite: Aの5項目のうち,4項目以上を満たす.Probable:下記の①~③のいずれかを満たす.①Aのうち3項目+Bのうち1つの大あるいは2つの小支持基準.②Aのうち2項目+Bのうち3つの小支持基準.③Aのうち項目5(遺伝子変異)+Bのうち1つの大支持基準.注1) eADAとGSHを同時測定し,SVM法による判別式により判定する26). 【SVM法による判別式】SVM法は代表的な判別方法の一つである.eADA(IU/gHb)とGSH(mg/dL RBC)の2つの変数により,DBA症例と非罹患者を以下の判別式で計算し,1.2448*eADA+0.0893*GSH-10.3505>0の場合,DBA型と判定する.【検体の提出方法】全血2 mLをヘパリン管で採取し,4℃で測定施設(東京女子医科大学医学部輸血・細胞プロセシング科特殊検査室)まで宅配便で送付する.同時採血の正常対照を同梱し,保管・輸送による測定値への影響を検討可能とする.なお,検査はメール(info@anemia︲support.org)での予約が必要である.RPS7,RPS10,RPS15A,RPS17,RPS19,RPS20,RPS24,RPS26,RPS27,RPS28,RPS29,RPL5,RPL8,RPL9,RPL11,RPL15,RPL17,RPL18,RPL26,RPL27,RPL31,RPL35,RPL35A,TSR2,HEATR3,GATA1上肢腎,泌尿器心・肺その他 頸部 眼 神経系 低身長A. 診断基準 1.1歳未満発症である. 2.大球性貧血(あるいは正球性貧血)で他の2系の血球減少を認めない. 3.網赤血球減少を認める. 4.赤芽球前駆細胞の消失を伴う正形成骨髄所見を有する. 5.古典的DBAにみられた遺伝子変異を有する(表1-付1).B. 診断を支持する基準大支持基準 1.家族歴を有する.小支持基準 1.赤血球アデノシンデアミナーゼ活性(eADA)または赤血球還元型グルタチオン(GSH)の高値注1). 2.古典的DBAにみられる身体の先天異常を有する(表1-付2). 3.HbFの上昇. 4.他の遺伝性骨髄不全症候群の証拠がない.表1-付1 古典的DBAにみられた遺伝子変異表1-付2 Diamond-Blackfan貧血にみられる身体の先天異常頭部,顔面,口蓋両眼隔離症,口蓋裂・口唇裂,高口蓋,小頭症,小顎症,小耳症,耳介低位,内眼角贅皮,眼瞼下垂など拇指骨数過多症,重複拇指,拇指低形成,平坦拇指球,合指症,撓骨動脈欠損腎臓欠損,馬蹄腎,腎低形成心室中隔欠損,心房中隔欠損,大動脈縮窄,複雑な先天性心疾患短頸,翼状頸先天性緑内障,斜視,先天性白内障学習障害

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