■2 診断編 section 4:検査の考え方244図1 膠原病の診断における抗核抗体(ANA)の使用アルゴリズムものであり,蛍光パターンのみから提出する特異抗体を決めるべきではありません.臨床状況から疑われる疾患の特異抗体も同時に提出するべきです.ANA:抗核抗体,SS:Sjögren症候群,SLE:全身性エリテマトーデス,SSc:全身性強皮症,MCTD:混合性結合組織病,DM/PM:皮膚筋炎/多発性筋炎(Peng SL, et al.:Anti-nuclear antibodies. In:Firestein GS, et al., eds.:Firestein & Kellyʼs textbook of rheumatology, 11th ed. Elsevier, 2021:875-889を基に作成)陰性疾患の疑いが低い以下を考慮薬剤性ループスSS抗Ro/SS-A抗体SLESScMCTD抗ARS抗体DM/PM抗リン脂質抗体過凝固状態ANA陰性でも特異抗体が陽性になることがあります.ANA関連疾患を疑ったとき,どのように検査を提出していくかのアルゴリズムの一例を示します(図1)1).ANA陽性でも特異抗体が陰性になることがあります.この場合は,通常のコマーシャルベースでは測定できない特異抗体である可能性があります.たとえば,Raynaud現象,手指硬化から全身性強皮症(SSc)を疑い,ANA陽性なのに3つのANA関連疾患疑いANA測定低力価陽性抗ヒストン抗体抗Ro/SS-A抗体抗La/SS-B抗体抗dsDNA抗体抗U1 snRNP抗体抗-Sm抗体抗Ro/SS-A抗体抗Scl-70抗体抗RNAポリメラーゼⅢ抗体抗セントロメア抗体抗U1 snRNP抗体抗ARS抗体(抗Jo-1抗体など)疾患の疑いが高い薬剤歴乾燥症状皮膚・関節症状Raynaud現象手指硬化筋炎毛細血管拡張食道機能異常肺疾患陽性
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