若年者の蜂窩織炎はmimicsから考える.第3章 上肢のむくみ急性・片側157血液培養,婦人科診察にてクラミジア・淋菌の培養,関節液穿刺は試みたが,穿刺液は採取できなかった.淋菌性関節炎を疑い,セフトリアキソンとアジスロマイシンが開始された.婦人科診察ではSTIの既往が明らかになった.セフトリアキソン開始後24時間にて,手指の屈曲伸展ができるようになり,手背の浮腫も改善して,ほかの関節炎も認めなかった.培養はいずれも陰性であった.淋菌性関節炎は関節周囲炎・腱鞘滑膜炎が目立ち,手関節周囲や足関節・膝に好発する.一般的に,播種性淋菌感染症は大きく2つのパターンをとる.①3徴(腱鞘滑膜炎,皮疹,多関節痛),②急性化膿性関節炎となる.皮疹は一過性であるが,身体診察では小水疱または小膿疱を探す.培養陽性率が低く(ブドウ球菌による化膿性関節炎では90%以上),疑ったら血液・関節液以外に,陰部も含めて培養を提出する.pitfall治療・経過│
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