2579新現場で役立つラクラク成長曲線
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24年齢の判定です.手のひらを広げて撮影したX線写真(図4)で骨の成熟状態を判断します.成熟が遅れているのか,進んでいるのかは成長障害を診断するときや将来的にどの程度の身長になるかを考えるときにとても有用な情報となります.成長曲線は成長が順調に経過しているかを見守るのみならず,さまざまな疾患や病的状態を早期に発見するために,さらには経過をみていくときにとても役立ちます.本項では保健センター,保育所,幼稚園や学校で成長曲線をさらに有効に使っていただくために,成長曲線に特徴があらわれる疾患を中心に10個の疾患を取り上げて解説します.T■■■■urner症候群(p39・成長曲線8,p41・成長曲線9),軟骨無形成症(p44・成長曲線10,p46・成長曲線11),N■■■■oonan症候群(p48・成長曲線12)については疾患に対応した成長曲線(疾患特異的成長曲線)を利用できますので,ご活用ください.成長ホルモンは眼球の奥,脳の中央部にある脳下垂体という部分で作られます.このホルモンが直接あるいは間接に全身の骨に作用して骨を縦方向に伸ばします.したがって成長ホルモンの分泌が低下すると身長の伸びが低下します.伸びが低い状態が続くと身長SDスコアは−2以下となって成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断されます.また身長SDスコアが−2を下回らなくても伸びが低下した状態(成長速度が標準の−1.5 SD以下)が持続すれば同様に成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断されます.医療の場では現在でもパーセンタイルを使わずにSDを使っていることには留意してください. 図4  骨年齢● ● ● B 成長曲線が診断・治療・経過観察において重要となる疾患 B 成長曲線が診断・治療・経過観察において重要となる疾患1 成長ホルモン分泌不全性低身長症1.どのような病気か

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