2579新現場で役立つラクラク成長曲線
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127学校における健康維持・増進,さらには疾病の早期発見という目的を果たすためには健康診断をいかに実効性あるものにするかが重要です.学校保健安全法において就学時(第十一,十二条),児童生徒等(第十三,十四条),および職員(第十五,十六条)の健康診断と事後措置の実施が定められています.児童生徒等の健康診断は毎年,定期的に行うとされ,必要があれば臨時に実施することも記されています.さらに第17条に健康診断に関する条文があります(表1)1).しかしながら,この条文では健康診断の内容は示されていません.詳細は政令や省令で定めるとされており,その内容は学校保健安全法施行規則としてまとめられています.そのなかの第二章第二節に「児童生徒等の健康診断」(表2)2)という項目があり,身体計測から心電図検査等までの実施要領が簡潔にまとめられています.本書のテーマである成長曲線に関すること,すなわち身体計測に関する部分を拾い上げると 測定項目は第六条一で「身長及び体重」とされ,第七条2,および3で具体的な測定方法に至るまで指示されています.また,第七条8では保健調査の結果と合わせて結果を活用して診断に当たるとされています.また第九条では事後措置についても記載があり,必要な医療を受けること,必要な検査を受けるように指示することとされています.これらを単純に解釈するならば成長曲線を描くことは必然であろうと成長を専門にする筆者は考えますが,実際はそこにまで至っていなかったのが現実です.校務全体における養護教諭の仕事量を考えると一人ひとりの児童・生徒について成長曲線を描くことは膨大な時間を必要としますので難しかったこともあるでしょう.平成26年4月30日に発せられた文部科学省の通知(26文科ス第96号)(表3)3)では平成28年度から座高,寄生虫検査を必須項目から削除し,四肢の状態を項目として加えること,ならびに「身長曲線・体重曲線等を積極的に活用すること」が記されました.この通知の趣旨は当然ながら,成長曲線を利用して,健康の見守りと疾病の早期発見を行うことでしょうが,施行規則のなかに明確に記されていないために成長曲線の描画が必ずしも全国津々浦々の学校で行われるには至っていません. 表1  学校保健安全法第十七条(健康診断の方法及び技術的基準等)第十七条 健康診断の方法及び技術的基準については,文部科学省令で定める.2  第十一条から前条までに定めるもののほか,健康診断の時期及び検査の項目その他健康診断に関し必要な事項は,前項に規定するものを除き,第十一条の健康診断に関するものについては政令で,第十三条及び第十五条の健康診断に関するものについては文部科学省令で定める.3  前二項の文部科学省令は,健康増進法(平成十四年法律第百三号)第九条第一項に規定する健康診査等指針と調和が保たれたものでなければならない. 第6章 学校健診と成長曲線 ● ● ●B 学校保健安全法と同法施行規則

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