2581内分泌外来診療Q&A
3/10

第1章 症状から疑う内分泌疾患QA2●薬剤性肥満第1章●症状から疑う内分泌疾患る.❷  クッシング症候群,クッシング病では,中心性肥満の有無をチェックする.❸  内分泌性肥満としては,ほかに,甲状腺機能低下症,成人GH分泌不全,加齢男性性腺機能低下症候群が肥満をきたしうるが,ホルモン異常がある場合であっても,その解釈については総合的な判断が必要で,内分泌代謝科専門医への紹介が望ましい.肥満の大半は単純性肥満ですが,約10%に二次性肥満が含まれるとされ,内分泌性肥満,薬剤性肥満,遺伝性肥満,視床下部性肥満などがあります.鑑別しておく肥満として,まず内分泌性肥満以外について述べます.向精神薬,グルココルチコイド製剤,ピオグリタゾン(アクトスⓇ)など.体重増加への影響が大きい向精神薬として,クロザピン(クロザリルⓇ),オランザピン(ジプレキサⓇ),中程度のものとして,クエチアピン(セロクエルⓇ),リスペリドン(リスパダールⓇ)などがあります.●遺伝性肥満プラダー・ウィリ症候群(Prader-Willi症候群:PWS)が最も多いです.PWSは15番染色体長腕の異常による視床下部機能障害により生じ,肥満,糖尿病,低身長,性腺機能低下症,発達遅滞,筋緊張低下を特徴とする疾患です.乳児期から幼児期に診断されていることがほとんどです.●視床下部性肥満腫瘍やそれに対する外科治療,脳血管障害あるいは炎症などによる視床下部の障害は食行動調節中枢の障害を伴い,過食や肥満の原因となります.さて,内分泌性肥満としては,甲状腺機能低下症(p.73-75),クッシング症候群(p.118-122),クッシング病(p.31-35),成人GH分泌不全(p.38-42),中高年男性では加齢男性性腺機能低下症候群(p.136-139),若年女性では多囊胞性卵巣症候群があげられます.クッシング症候群,クッシング病では,クッシング徴候(第2章03 クッシング病の図1Point❶  まずは,薬剤歴,視床下部疾患の既往,女性では月経異常の有無についてチェックす内分泌性肥満以外内分泌性肥満二次性肥満をきたす疾患の鑑別で内分泌性肥満を疑うコツはあるでしょうか.肥 満01

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る